日本銀行(中央銀行)は10月31日から11月1日にかけて開催した金融政策決定会合で、これまでの「低調傾向」を引き継ぎ、既存の金融緩和政策を拡大する措置については言及せず、物価上昇率2%の達成時期を2018年度(2018年4月1日~19年3月31日)頃に先送りするとだけ発表した。「国際商報」が伝えた。
現在の黒田東彦総裁の任期は18年4月に終了する。そこで多くの人が、これまでの数回にわたる大規模な措置を経ても、現在の日銀はかつて掲げた金融政策によって経済を活性化するという初志を貫徹することができなくなったのではないかとの懸念を抱くようになった。
▽引き続き厳しいデフレ傾向
南開大学日本研究院の劉雲客員研究員は、「このたびの日銀の金融政策決定会合は前回の延長であり補足だと言うべきだ。物価上昇率目標の達成時期を先送りしたのは日銀の『時間稼ぎ』に過ぎない。なぜなら日銀が自ら先送りしなくても、日本の現在の発展状況をみれば、予定された期間内に2%のインフレ目標を達成することは不可能だからだ」との見方を示す。
劉研究員は2組のデータを示して、次のように説明する。「第1に、日銀は17年度の物価上昇率予測値を7月の1.7%から1.5%に引き下げ調整し、16年度のコア物価指数予測値を7月の0.1%からマイナス0.1%に引き下げた。ここから日銀はこれまで一貫して日本経済はデフレを脱却したと言い続けてきたが、データに反映された実際の状況はまったく逆だということがわかる」。
劉研究員は続けて、「第2に、これは日銀が発表した今後2年間の日本経済の成長率予測だ。金融政策決定会合で、日銀は16年度の国内総生産(GDP)成長率予測値を1%とし、17年度は1.3%、18年度は0.9%とした。日銀は17年度については比較的好調な予測をうち出したが、18年度の予測値はそれほど楽観的なものではなく、このGDP成長率予測値と2%の物価上昇率目標は合致しない。ここから日銀が実際には18年度に2%の目標を達成できるとは考えていないことがわかる」と説明する。
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