国務院はこのほど「土壌汚染対策行動計画」(以下略称「行動計画」)を通達した。当面の中国全土における土壌汚染対策の行動綱領だ。
党中央と国務院は土壌環境保護の取り組みを大きく重視している。行動計画は、中国の国情と発展段階に立脚し、経済・社会発展の全局に着眼し、土壌環境の改善を中心とし、農産物の質と居住環境の安全の保障を出発点に、防止中心、保護優先、リスク管理を堅持し、重点地域・業種・汚染物質を際立たせ、類別・用途別・段階別対策を実施し、新たな汚染を厳しく規制し、既存の汚染を段階的に減らし、政府が主導し、企業が責任を担い、大衆が参加し、社会が監督する土壌汚染対策システムを形成するとしている。
行動計画によると、2020年までに中国全土の汚染悪化傾向を一応抑え込み、土壌環境の質を全体的に安定させ、農業用地と建設用地の土壌環境の安全を基本的に確保し、土壌環境リスクを基本的に制御する。2030年までに中国全土の環境の質を安定しつつ好転させ、農業用地と建設用地の土壌環境の安全を効果的に確保し、土壌環境リスクを全面的に制御する。今世紀半ばまでに土壌環境の質を全面的に改善し、生態システムの好循環を実現する。
行動計画は問題の誘導と守るべき一線の思考を堅持し、重点と限定的目標を堅持し、分類管理と総合施策を堅持して、次の措置を決定した。(1)土壌汚染調査を実施し、土壌環境の状況を把握する。(2)土壌汚染対策立法を推し進め、法規・基準体系を整備する。(3)農業用地の分類管理を実施し、農業生産環境の安全を確保する。(4)建設用地の参入管理を実施し、居住環境のリスクを防ぐ。(5)汚染されていない土壌の保護を強化し、新たな土壌汚染を厳格に規制する。(6)汚染源の管理・監督を強化し、土壌汚染防止の取り組みをしっかりと行なう。(7)汚染対策・回復を実施し、土壌環境の質を改善する。(8)科学技術研究を強化し、環境保護産業の発展を促す。(9)政府の主導的役割を発揮し、土壌環境対策システムを構築する。(10)目標審査を強化し、責任追及を厳格化する。
土壌汚染対策行動計画の制定と実施は、エコ文明建設を推進し、断固として汚染に宣戦する党中央と国務院の重大措置だ。すでに通達された「大気汚染対策行動計画」「水質汚染対策行動計画」とともに、現在中国の直面する大気、水、土壌環境の汚染問題に対する3つの汚染対策行動計画が、これによって現政権で全て策定、通達されたこととなる。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年6月1日