北京市環境保護モニタリングセンターは28日、同日の大気品質予報を発表した。高気圧通過後の影響を受け、北京市の拡散条件は「普通」となり、大半の地域のPM2.5濃度が「2級良」となった。しかし午後の時間帯には「3級軽度」から「4級中度」汚染となった。主要汚染物は、午後に濃度が上がるオゾンだ。科技日報が伝えた。
◆オゾンの人体への影響は?
オゾンは常温で特殊な匂いを放つ水色のガスで、高い酸化性を持つ。オゾンは大気圏に集まる「地球防衛軍」で、太陽光に含まれる紫外線を吸収する。濃度が極度に高いオゾンは地上付近で、人の粘膜組織(目や呼吸器系など)を刺激し、破壊する。
夏になると、オゾンは時に主要汚染物になる。北京市でオゾン層が基準超になるのは、主に気温が高く日照の強い5−9月だ。
北京市環境保護モニタリングセンター大気室長の李雲婷氏は取材の中で、「オゾンには明らかな時間的法則がある。基準超になるのは、高温で日照が強い日の午後から夕方にかけてだ。PM2.5と違い、オゾンは不安定で分解されやすい。午後から夕方にかけての外出や屋外活動を控え、オゾンが健康に及ぼす影響を弱めるべきだ」と提案した。
◆基準超になる理由は?
大気圏からの少量のオゾン層を除くと、地上のオゾンの大半は人為的に排出された「窒素酸化物」と「揮発性有機化合物」によるものだ。これは高温、十分な日照、乾燥した空気などの条件が整うと形成される。窒素酸化物は主に自動車、発電所、石炭燃焼ボイラー、セメント工場などから排出される。揮発性有機化合物は自動車、石油化学工業の排出、有機溶剤の揮発などによって生じる。
北京市環境科学院大気汚染防止研究所副所長の黄玉虎氏は、「揮発性有機化合物は窒素酸化物と共に、紫外線照射を受け一連の光化学反応を起こし、大気の酸化性を高め、地表のオゾンの濃度を上げ、さらに粒子状物質の生成を加速する。これは夏にオゾンが基準超になりやすい原因だ」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年5月31日