中国外国為替取引センターが明らかにしたところによると、30日には人民元の対米ドルレート基準値が前営業日比294ベーシスポイント(bp)低下と大幅に値下がりして1ドル6.5784元になり、2011年2月以来の最低を更新した。オンショア市場でもオフショア市場でも大幅な値下がりで、現段階でオンショア市場は同1681bp低下の1ドル6.5818元、オフショア市場は同109bp低下の1ドル6.5880元だ。両市場の開きは62bpになる。「証券日報」が伝えた。
5月中旬以降、世界各国の通貨が変動し始め、市場にリスク回避のムードが広がったこと、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げへの期待が再び膨らんだことの影響で、ドルが大幅に反転上昇した。統計をみると、ドル相場指数は5月3日の91.92ポイント(p)の低水準から95.70p近くまで上昇し、上昇率は4.1%だった。この影響で、人民元を含むアジア新興市場の通貨が軒並み値下がり。元レートは同日の1ドル6.4565元から大幅に値下がりして、30日は1ドル6.5784元になり、累計で1219bp低下し、低下率は1.9%で今年1月の1.3%を上回った。
申万宏源集団株式有限公司の李慧勇チーフマクロエコノミストは、「最近、人民銀は人民元の対米ドルレート基準値を連続で引き下げ調整した。だがこのたびの人民銀の出発点は過去2回の調整と明らかに異なり、5月以降はオフショアとオンショアの人民元レートの開きが相対的に落ち着いている。このほどFRBが利上げを見送ったこと、利上げの回数を4回から2回に減らしたこと、これに日本円とユーロの段階的な値上がりが加わり、ドルは小刻みに揺れ動きながら値下がりしている。ドルが5月中旬に値上がりした後でも、オンショアとオフショアで人民元レートの開きが相対的に小さくなり、30日には100bpを割り込み、人民元値下げ圧力が小さいことをうかがわせる。そこで、このたびの人民元レート基準値引き下げは、人民銀の主体的な誘導であり、値下げ圧力を秩序をもって発揮させる上でプラスになるものだといえる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年5月31日