国家外貨管理局はこのほど、2016年4月の銀行の外貨決済・購入データおよび銀行が顧客に代わって行う対外的な資金の受け取り・支払いのデータを発表した。それによると、4月の外貨決済額は1150億ドル(1ドルは約108.9円)に上り、外貨購入額は1387億ドルで、決済額から購入額を引くと237億ドルの赤字になった。1~4月の累計では決済額が4650億ドル、購入額が6134億ドルで、1485億ドルの赤字だった。
同局の報道官は、「今年第1四半期(1-3月)には国境を越えた資金の流出圧力が緩和され、4月にも第1四半期のような圧力が徐々に緩和される傾向が続いた。今年に入ってから、銀行の外貨決済・購入の赤字と対外的な資金の受け取り・支払いの赤字はいずれも低下傾向にある。外貨決済・購入の赤字は237億ドルで、前月比32%減少。銀行部門以外の対外的な資金の受け取り・支払いの赤字は89億ドルで、前月比66%減少。外貨資金の純流出額は20億ドルで、前月比67%減少。外貨準備残高は2カ月連続で増加傾向を示し、3月は103億ドル、4月71億ドル、それぞれ増加した」と述べ、さらに具体的な状況として次の2点を挙げた。
(1)国内の主体の外貨購入意欲が減退し、対外的な債務返済のリズムが徐々に鈍化した。4月の外貨購入の動機をおしはかる外貨購入率、すなわち顧客が銀行から購入した外貨の顧客が対外的に外貨立てで行った支出に対する比率は75%で、1~3月期に比べ5ポイント低下した。同期には、海外での代理決済、期限付き信用状(L/C)といった輸入に際しての国境を越えた資金調達の残高が13億ドル減少し、減少幅は第1四半期の月平均を88%下回った。
(2)企業と個人の外貨決済の意欲が上昇し、外貨保有の意欲が低下した。4月の外貨決済の意欲をはかる外貨決済率、すなわち顧客が銀行に売却した外貨の顧客が対外的に受け取った外貨収入に対する比率は63%で、1~3月期に比べ4ポイント上昇した。同期には、外貨建て預金残高が9億ドル増加し、増加幅は第1四半期の月平均を93%下回った。
同報道官は、「年初以来、国境を越えた資金の流出圧力が徐々に緩和され、ここには国内外の市場環境の変化が映し出されている。今後しばらくの間は、中国経済は引き続き合理的な範囲で推移し、経済成長ペースは世界的にみて高い水準を維持し、中国の国境を越えた資金の流動の総合的な安定にとって根本的にプラスになる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年5月17日