北京市高級人民法院(高裁に相当)はこのほど、米国アップル社が「IPHONE」の商標をめぐり異議申し立てをしていた行政訴訟で、アップル側を敗訴とする判決を言い渡した。「IPHONE」の第18類の商標権は中国企業の新通天地科技(北京)有限公司に帰属することになり、財布や小型革製品などで「IPHONE」の商標を使用できるようになる。「京華時報」が3日に明らかになったとして伝えた。
同公司は2007年9月29日、国家工商行政管理総局商標局に「IPHONE」商標の登録を申請し、国際分類の第18類「革及びその模造品、旅行用品並びに馬具」としての登録を申請した。同局が第1回審査の公告を出すと、アップルは異議を申し立て、「IPHONE」商標は第9類「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」として携帯電話製品において極めて高い知名度と重要性を獲得しており、馳名商標とみなすべきとの見方を示した。これに先立つ02年10月18日、アップルは同局に「IPHONE」の商標登録を申請しており、第9類として登録されていた。
アップルの異議申し立て後、同局は審理を経て「『IPHONE』商標をめぐる異議の裁定書」を発表し、異議が申し立てられた商標の登録を認めるとの決定を下した。アップルはこの決定を不服として、国家工商行政管理総局商標評審委員会に異議と再審査の申請を提出した。13年12月16日、同委は「第6304198号『IPHONE』商標の再審議・再審査に関する裁定書」を発表し、異議が申し立てられた商標の登録を認めるとの決定を下した。同裁定書によると、アップルが「IPHONE」商標の知名度を証明するために用いた証拠は、商標を使用した期間のほとんどが異議を申し立てられた商標の申請の後であり、異議を申し立てられた商標の登録申請の前であること、アップルの商標が周知されていること、馳名商標であることを証明できなかった。
その後、アップルは「敗訴の決定」を不服として、北京市第一中級人民法院(地裁に相当)に行政訴訟を提起し、同委に再審査を行って新たな決定を下すことを求めた。同法院は審査を経て、異議を申し立てられた商標の登録申請は2001年改正の「商標法」の関連規定に違反していないとして、アップル側の請求を退けた。アップルは一審の判決を不服として、北京市高級人民法院に控訴したが、高級人民法院はこのたび、アップル側を敗訴とした一審の判決を支持する決定を下した。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年5月4日