中国で最も権威ある文学雑誌「人民文学」の日本語版「灯火(ともしび)」の出版を記念して、このほど中日文学翻訳シンポジウムが北京で開催された。中国作家協会の副主席であり、「人民文学」外国語版創始者のひとりである李敬澤氏は「『人民文学』の日本語版の『灯火』という名には中国と日本が互いを明るく照らし、目を向け合い、理解し合い、互いを結び付ける親しみ深い、素晴らしい事物を見出したいという願いが込められている」と語った。人民日報海外版が伝えた。
「灯火」は2015年11月に創刊し、すでに「伝統と現代」、「自然と人生」をテーマに2回出版されている。2016年に出版された「自然と人生」には李敬澤、董立勃、蘇童、葉弥、艾偉、徐則臣、朱山坡などの作家による関連テーマ作品が収録されている。日本語版は全作品が日本人翻訳家による翻訳となっており、専門家の間でもその質が高く評価されている。
李敬澤氏は「日本の言葉も文化も中国とは深い関係があるが、歴史が発展していく過程で中日文化には大きな差が生まれた。その複雑な関係から、中日両国が互いの文化を理解するのはとりわけ困難で切実であり、歴代の作家や学者は大変な努力を続けてきた。今年は日中文化交流協会が創立60周年を迎えた。この60年の間、井上靖や大江健三郎などの日本人作家、巴金や周揚などの中国人作家を含む、歴代の中日両国の作家たちは、互いを理解するために、大変な努力を重ねてきた。この努力は新しい時代においても継続させていくべきだ。まさに『灯火』の名前の由来の如く、巴金の世代の作家たちがともした灯火をこれからも継続させていきたい」と指摘した。