こうした情況の背景にある日本の教育理念は容易に感じ取れる。つまり、「長期休暇は子どもが休む時間。宿題をしなかったところでそれは公明正大。宿題をした子どもは勉強熱心であり、大いに褒めてあげるべき」ということだ。いわゆる冬休みの宿題は教師が勉強好きな子どもにその拠り所を提供し、効率アップのサポートをするためというわけだ。
よく観察すると、日本の小学生の冬休みも様々で、宿題の量も内容も異なる。また、日本では冬休みの他に、我々が数十年前に経験したであろうか「春休み」なるものがある。当時の春休みといえば、農村地域の子どもが自宅の農作業を手伝うために設けられた休みで、都市化が進むにつれ、この休みは次第に意義を失い取り消された。比較すると、日本の小学生は夏休みの宿題が最も多く、次に春休み、そして期間が短い冬休み(通常は12月25日から翌年の1月7日)となる。
冬休みは年越しの時期でもあり、冬休みの宿題は子どもたちに新年の文化を味わってもらうことに重きが置かれる。日本では1月2日に筆で新年への願いを記すという習慣があり、多くの小中学校が冬休みに書道教室を開き、始業後は学校で書道展などが開かれる。父親と餅つきをすることも文化活動の一つだ。羽子板は新年に厄を払う遊びであり、子どもたちの冬休みの運動でもある。
机に向かう勉強は主に作文となる。自分の経験に基づき、新年をどう過ごしたのか、どんな新鮮な出来事があったのかなどを書き記す。手を動かす宿題は、往々にして保護者の参加を求められる。例えば、筆者の娘の場合、小学校1年生の時に植物の成長日記が宿題として課された。娘は植物アレルギーがあったため、父親である筆者が花を植えたり鉢を移したりといった作業を手伝った。日記をつけさせると、確かにそれなりの記録になった。中学生になると、とりわけ公立中学はクラブ活動の冬休みの行事がより豊富になる。しかし、私立の場合はそう気楽に過ごすこともできない。5、6年生にもなると、20から30%の生徒が名門校に進学しようと冬休みも塾に通い詰める。(編集IM)
「人民網日本語版」2016年2月6日