不動産市場の「在庫消化」という難題に対し、中国人民銀行(中央銀行)と中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は申年の春節(旧正月、今年は2月8日)の前後に他部門に先駆けて、2016年初の国家レベルの不動産市場「在庫消化」新政策をうち出す予定だ。業界ウォッチャーによると、人民銀の新政策では不動産購入の「参入ハードル」が再び引き下げられ、今後2~3年以内に、取引段階でかかる税金のさらなる調整、住宅基準の調整といった在庫を消化するための「政策の波」が次々に押し寄せることになるという。中国新聞社が伝えた。
人民銀と銀監会は2日、住宅ローン新政策を共同で発表した。「購入制限」措置を実施していない都市で、この都市に居住する世帯が初めて一般の住宅を購入する場合の個人向け商業不動産ローンについて、頭金の最低額を原則として物件価格の25%とし、地域ごとに5ポイントまでの引き下げを行うことを認めた。また、すでに住宅を1戸所有し、相応の未完済の住宅ローンを抱える居住世帯が、住環境を改善するために個人向け商業不動産ローンを再び申請して一般の住宅を購入しようとする場合は、頭金の最低額を物件価格の30%以上とした。
中国不動産協会不動産法規政策委員会の康俊亮事務局長は2日に取材に答える中で、「人民銀が春節前に住宅ローンの新政策を発表した主な狙いは、不動産購入の参入ハードルを引き下げ、不動産市場の在庫消化を促進することにある。この政策は不動産の在庫を消化し、国民の不動産購入や住環境改善を支援しようとする中央政府の態度を示すものでもある」と分析した。
中国銀行国際金融研究所の李佩珈シニア研究員も、「『在庫消化』は今後数年間の中国不動産運営の主要基調であり、金融ツールを通じて不動産在庫の秩序ある消化を促進する必要がある。現在、国民の住宅ニーズは依然として大きく、個人向け住宅ローンにも大きな発展の可能性がある」との見方を示す。