2015年には世界の対中国投資が前年比6.4%増加した。中国経済の吸引力は健在で、グローバル投資が相次いで中国に押し寄せる流れの中、日本の対中投資だけは「引き潮」ムードを示した。商務部(商務省)がこのほど発表したデータでは、15年の日本の対中投資額は同25.2%減少して32億1千万ドル(1ドルは約118.0円)にとどまり、3年連続の減少となった。同部の沈丹陽報道官は3日の定例記者会見で、「日本は中国の重要な投資元国だ。15年末までに、日本が中国に設立した企業は累計5万社に迫り、実行ベース投資額は1千億ドルを超え、約1018億2千万ドルに達し、中国の国別外資導入額で3位だった」といい、日本の投資の重要な位置づけを確認すると同時に、「ここ2年ほど、日本の対中投資は確かに減少傾向にあり、14年は同38.8%減少し、15年は同25.8%減少した。こうした現象をもたらした原因は主に次の4点だ」として、4点を具体的に説明した。「国際商報」が伝えた。
(1)近年、人民元は日本円に対して値上がりが続き、日本企業の対中投資コストが上昇し、製品輸出型の日系企業は競争力が低下した。
(2)中国経済が「新常態」(ニューノーマル)に入り、経済ペースが鈍化し、中国の労働力コストや土地コストなどのコストが持続的に上昇し、少数の日本企業が中国での発展見通しに懸念を抱き、対中投資について様子見の態度を取っている。
(3)日本の対中投資は早くから行われ、日本の大企業の多くが中国に企業を設立し、好調な経済的利益を得てきた。このような日本企業は今、在中国企業の経済効果の引き上げに注目し、投資規模の拡大ペースを一時的に落としている。
(4)各国企業が対中投資を積極的に展開し、中国現地企業が成長を続けるのにともない、中国市場での競争が日に日に激しくなり、日本企業の一部は市場からの撤退を余儀なくされた。指摘すべき点は、複数の調査から、日本の企業の圧倒的多数は中国市場には巨大な潜在力があり、非常に重要であり、放棄することはあり得ないとの見方が浮かび上がってくることだ。日本貿易振興機構(ジェトロ)が最近行った調査によれば、日本企業のうち対中投資拡大の意志があるところが最も多く、日本企業の中国エリア責任者も中国事業の拡大におしなべて積極的かつ楽観的な態度を示しているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年2月4日