零点研究コンサルティング集団指標データ公司の姜建建・副総経理(副社長)は、「中流階級の消費者グループが重視しているのは参加しているという感覚とアイデンティティだ。そのため企業の商品開発では、より強いインタラクティブ性が必要となる。『設計者の開発した商品を市場で発売——反応を検討——ダメならもう一度スタート』というルートを取ることはもうできず、設計と同時に、消費者とのマルチチャンネル・マルチレベルのインタラクションとコミュニケーションを保たなければならない」と指摘する。
だがこのような転換は、グローバル企業がすでに数年にわたって展開して成果を上げてきたビジネスモデルと組織構造にもかかわるものとなる。「多くのグローバル企業の中国事業は、消費の末端として運営されてきた。一般的には、世界の商品開発戦略と足並みをそろえるものとなっており、これは市場理念の問題と言える。一方で、世界的な布陣を考慮することから、企業は一定のスケールメリットを求めることとなり、個別の市場をターゲットとした革新が無視されがちとなり、新たな市場の拠点を失うことともなった」。
洗濯用洗剤はその一例である。P&Gやユニリーバなどのグローバル企業は中国市場でなかなか洗濯用洗剤を販売しなかった。こうした商品は欧米では売れているが、中国市場のリーディングポジションは「藍月亮」や「立白」などの中国現地ブランドに譲った形となっている。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年12月31日