中国国務院はこのほど、大型客船「東方之星」転覆事故の調査報告書に対する意見付回答書を発表した。新華網が伝えた。
2015年6月1日午後9時32分、重慶東方汽船公司が運航する大型客船「東方之星」が、南京から重慶に向かって航行中、湖北省荊州市監利県長江大馬洲の水路で転覆・沈没し、442人が死亡した。
調査チームは、報告書において、以下の見解を示した。
「東方之星」の沈没は、滅多に発生しないほどの強い下降気流によって竜巻が生じ、暴風雨がもたらされたことによる、重大かつ壊滅的な事故である。また、同客船の風圧抵抗力と転覆抵抗力はいずれも、基準に見合うものだったが、事故発生時の極端な悪天候に抗う力に不足していた。船長と当番の一等航海士は、劣悪な天候とリスクに対する認知力に欠けていたことから、非常事態に対する対応力が不足していた。
厳しく深く踏み込んだ調査を進めるうちに、重慶東方汽船公司、重慶市担当管理当局、地方党委員会・政府、交通運輸部長江航行業務管理局、長江海事局、傘下海事機関についても、日常管理業務や監督管理検査業務において、問題があることが発覚した。
関連法律法規・規定にもとづき、張順文船長に対しては、船長適任証書の取り上げおよび労働契約の解除処分が妥当と思われる。また、司法当局は、同船長に対し、特に法的責任の有無をめぐり、さらなる調査を進める。当番だった劉先禄・一等航海士は、今回の事故で死亡したことを鑑み、処分対象としないことを提案する。調査の過程で明らかになった日常管理業務や監督管理検査業務に関する問題については、党の規律と行政の規律に即し、関係者43人に対して相応の処罰を科すべきである。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年12月31日