第6回中国衛星学術年次総会の会期中、世界初の高精度グローバルナビゲーションシステム・マルチコアチップ「NebulasII」が発表された。同チップは衛星測位システム「北斗」の産業化でトップクラスの企業、北斗星通導航技術株式有限公司によって開発された。開発担当者の胡剛氏によると、同チップは55ナノ級の低消費電力技術と自主開発技術を採用し、優れた整合性、高い対電磁波干渉耐性、高い出力などの特長を持ち、精度が高いグローバル衛星測位システム(GNSS)測量機の小型化を実現できるという。
胡氏は、「同チップは北斗、GPSなどの4大衛星測位システムの12の周波数に対応し、数十の単音干渉に耐性を持ち、ミリメートル級の精度を誇る。同チップに基づき製造されたレシーバーボードは、体積を半分にできる。同チップは測量、測位、北斗地上強化システム、精密農業、石油調査、地震による地すべりの観測、地下鉄・都市鉄道などに活用できる」と述べた。
これは同社が発表した3種類目のチップだ。同社は2010年に初の「NebulasI」チップを発表し、2013年に北斗55ナノ級チップという最小のチップを発表した。中国工程院院士の劉経南氏は取材に対し、「6年間の蓄積により、国産チップが大きな一歩を踏み出すことができた」と話した。専門家は、「国産チップの技術の進展により、北斗の使用のハードルを引き下げることができる。北斗の産業化の推進によって、大きな経済・社会的効果が生まれる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年6月19日