「義歯のために何回も歯科医に通院しなければならず、面倒だ」――。これは口腔疾患に苦しむ多くの患者に共通する悩みだ。現在は3Dプリンタを駆使することで、一度通院するだけで、歯型を作り調節し、義歯を取り付けることが可能だ。雲南省第一病院口腔予防課が25日に発表した情報によると、同病院が昨年12月に省級公立病院で3Dプリンタによる義歯作成技術を導入して以来、同技術で作成した義歯を装着している雲南省の患者は100人以上に上る。
この装置は、1台のパソコンと1台の3Dプリンタによって構成される。パソコンにつながるスキャナーは、患者の歯のデータを収集する。患者の歯型を作る前に、医師はこのスキャナーを患者の口の中に入れる。スキャン中には、患者のリラックス効果を高めるために音楽が流れる。スキャン中に漏れや異常があれば、装置は別の音を出す。スキャン終了後、患者の歯の形状がパソコンに表示される。医師はパソコンが画像化した患者の歯の形状に基づき、パソコンの3D技術を使い歯型を作り、3Dプリントの段階に移る。
医師が陶材をプリンタに入れると、3つのドリルが設計されていた形になるようこれを削る。3Dプリンタを使えばわずか10数分で2本の前歯を作成でき、かつ精度も高い。装着の際には、患者の個別の状況に合わせて手による細やかな調整を行う。患者個人に適した義歯を作れるほか、患者に適した色を選択することで、本物の歯との色の差をなくすことも可能だ。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年5月26日