北京清華長庚病院の初代執行院長・董家鴻教授が率いる肝胆膵外科医師チームはこのほど、3D印刷技術を使った10人の胆管がん患者の正確な根治術に中国で初めて成功した。人民日報海外版が伝えた。
董教授によると、3D印刷技術は近年、臨床医学で広く活用されている。リハビリ機器、義肢、医学模型などの体外医療機器の製造の他に、第3世代3D印刷技術の発展に伴い、組織・器官の代替品の製造技術も成熟化しつつある。
3D印刷技術は、病巣と主要血管構造の関係を正確に特定するのに役立つ。手術時の実際のサイズ・位置に完全に合致する透明化3D模型を製造すれば、「想像に頼るしかない」という外科医の悩みを解消できる。同技術を活用することで、手術中に予想される三次元の光景を想定し、重要な血管の位置を明らかにし、手術の計画と流れを決定し、さらに予行演習を行うことができる。こうすることで、病巣の根治、重要な生態構造の損傷の回避という、複数の目標を達成できる。
董教授によると、3D印刷技術の肝胆外科手術への応用は、個別化治療の実現を意味する。個別化医療の中で重要になるのは、現代のテクノロジーと伝統的な医療の融合だ。根拠に基づいた医療を参考にし、エネルギー消費量と損傷を最小限に抑えることのできる、治療効果が最も高い作業を個別化選択する。以前はパソコンを使わなければ3Dの効果が得られなかったが、現在は3D印刷による1:1スケールの模型を手術室に持ち込み、比較・対照できるようになった。重要血管の分離と病巣の切除をリアルタイムでガイドし、根治術の成功率を高め、手術のリスクを減らすことで、患者の利益の最大化を実現する。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年3月27日