AIIBの存在は日本のADB改革を加速させた。中日間の競争はすでに両国間にとどまるものではなくなり、AIIBとADBのどちらが効率的で、持続可能性を持っているかを競うものとなっている。中日間の争いは今後、仲間とパートナーをどれだけ集められるかの争いとなる。
AIIBがもたらした「ナマズ効果」は、未来の国際経済秩序の変革が「競争によって協力を求める」という原則に則ったものとなる可能性を意味している。IMFの議決権改革が遅々として進まないのに比べれば、世界銀行とADBの改革の効果は即効的なものと言える。
国際秩序の変革の裏側には二重の駆け引きがある。第一に、大国の主導権争い。第二に、多国間プラットフォームの効率と信用の競争。こうした競争は国際秩序の深みを増すもので、どちらかを倒そうとする悪性の競争でなければ、世界のガバナンス能力の向上を期待できるものとなる。
AIIBの融資を受けた国は世界銀行やADBに融資を申し込めないといった排他的な措置を取るならば、ADBや世界銀行は自らを窮地に追いやることとなる。3つの機構は良好な競争の状況を保つ必要がある。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年5月26日