村上春樹 中国社会が受け入れた日本の大衆文化
◆村上文学は中国の都市に住む青年の心の共鳴を引き起こす
この20年あまり、中国は急激な都市化を迎え、経済が急速に発展した。人々はもはや「社会の物事」に関心を持たなくなり、個人の生活や精神世界を豊かにすることに注目するようになった。村上春樹より前、中国大陸部では瓊瑤や金庸などの小説が流行したことがあるが、これらの小説は農業文明を描いたベストセラーであり、徐々に時代のニーズに追いつかなくなった。村上春樹は、大都市に住む個人がいかに生活を味わうかを描いており、都市化の中の社会ニーズに合致している。このため、都市で働くホワイトカラーや小金持ちがハルキストとなっていった。>>
◆村上春樹の作品が「大衆小説」から「名作」へ
中国の大型書店では今、村上春樹の作品が当然のように並べられている。表紙もさわやかで上品な雰囲気だ。「上海訳文」の瀋維蕃・編集長は、「当初、村上春樹の作品は大衆小説という位置づけで、漓江の販売戦略は間違っていなかった。しかし、あれから20年以上が経ち、『名作』という位置づけに変化してきており、単なるベストセラーでは片付けられない」との見方を示している。>>
◆莫言氏:村上春樹氏にノーベル賞受賞の資格ある
2012年のノーベル受賞の当日、実家の山東省高密県で行った簡単な記者会見で、有力候補者と見られていた日本の村上春樹氏に関する質問に対し、莫言氏は「村上春樹氏は彼なりの文学を創作し、文章も優れており、ノーベル文学賞を受賞する資格は十分にある」と答えた。>>(編集XM)
「人民網日本語版」2015年4月21日