日本の人気作家・村上春樹氏が15日午後、読者からの質問に「なんでも答えます」として、期間限定の交流サイト「村上さんのところ」を開設した。この10年間、ほとんど公の前に顔を出すことのなかった村上氏が、久しぶりにネット上に「登場」することとなった。華西都市報が伝えた。
これまでに、世界各地から同サイトに数万通の質問が寄せられており、村上氏はそのうち約100個の質問に答えた。村上氏が答えた質問の内容は、本当に多種多様にわたっている。文学に関する質問のほか、誕生日、好きな食べ物、飼い猫について、どんな夢を見るかなど、多くの日常生活にまつわる質問に氏は答えた。さらには、感情に関する微妙な質問も寄せられた。毎年、ノーベル賞選考の時期になると、ブックメイカー(賭け屋)による予想オッズ(掛け率)で、村上氏はトップに挙げられ、多くの注目を集めている。ある読者がこれに関する質問をしたところ、村上氏は、「正直なところ、わりに迷惑です。だって正式な最終候補になっているわけじゃなくて、ただ民間のブックメイカーが賭け率を決めているだけですからね。競馬じゃあるまいし」と、誠意とユーモアに溢れた答えを発言した。
〇挨拶に現れる「温かな人柄」
同サイトは、「ここのところなかなか寒いですね。お元気ですか?」という村上氏の挨拶で始まり、大物作家と読者との距離を一瞬で縮め、「この前やったのはかれこれもう十年くらい昔のことなんですが、そろそろやりどきかなみたいな気がして、とにかくやります」と続けている。また、「僕は送られて来たメールにひととおり目を通しますし、すべての返事はちゃんと自分の手でぱたぱたと書いています。アシスタントや編集者に適当に書かせて、署名だけしているわけではありません。(中略)あくまで自由な発言の場ですから、書きたいことをなんでも、書きたいように書いてきていただければいいのですが、『できればおたがい楽しくやりたいですね』というのが、僕の方のおおまかな基本方針です。うすうす理解していただければ幸甚です」と続けている。