シャネルの値下げがぜいたく品産業の価格システムを揺るがしている。英国のぜいたく品ブランドバーバリーは16日、最新の財務報告の発表に合わせて値下げに踏み切ることを明らかにした。「北京商報」が伝えた。
バーバリーが発表した2015年度下半期の財務報告によると、欧米市場が好調だったため、同期の売上高は前年同期比9.6%増加の14億2300万ポンド(1ポンドは約177.6円)に達した。アジア・太平洋市場は同4%増加の5億5300万ポンドにとどまり、大陸部での増加率も1けたにとどまり、香港地区の売り上げも減少したが、北米・中南米、欧州、中東、インド、アフリカの各市場ではいずれも2けたの増加率を達成した。
香港では今月13日から入境政策が調整され、これまでは「1つのビザで何度も出入りが可能」だったが、これからは「1週間に1回だけ出入りが可能」になった。これにより、バーバリーを含む香港のぜいたく品卸売企業は新たな売り上げの下り坂に直面する可能性が出てきた。市場の不振を受けて、バーバーリーはシャネルがこのほど行った値下げ戦略に関心を寄せるようになり、「シャネルなどのライバル他社にならって一部地域で価格調整を行うことを計画している。アジア市場を活性化させ、売り上げをさらに伸ばしたい」と述べた。
先月中旬、トップクラスのぜいたく品ブランドであるシャネルが中国エリアで20%の値下げを行うとともに、欧州市場では値上げを行った。すると香港と大陸部の多くの地域のシャネルのカウンターに買い物客が押し寄せ、一時的に売り上げが増加した。
ぜいたく品に詳しいフォーチュン品質研究院の周婷院長は、「ブランドと消費者との間にあった情報の非対称性は徐々に解消されており、消費者はもうブランドを追いかけることはしない。合理的な価格をうち出し、品質、デザイン、サービスの3つの要求に応えられたブランドだけが、市場を獲得することができる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年4月17日