だがトーマス司令官の発言は決して偶然ではなく、試しに発言して反応を探る意味合いを明らかに帯びている。米側の発したシグナルは、南中国海への介入を深めるというものだ。ごく一部の国はこのメッセージを受けて反応を示した。日本はその前から手ぐすね引いており、南中国海の領有権主張国との「交流」を強化し続け、協力方法を模索し、東中国海問題と南中国海問題の連動を図っている。日本は日米防衛協力の推進に伴い、南中国海での米国の行動に積極的に歩調を合わせる可能性が高い。ASEANは第7艦隊司令官の「教唆」にまだ反応を示していないが、フィリピン軍高級将校はすでに気が急いて待ちきれないとばかりに、米側の提言を受け入れたい考えを表明した。米国は南中国海問題でどちらか一方の側にはつかないとかねてから公言してきた。関係国の呼応は流れに沿って事を進める機会を米国に与えた。
その3、米国には中国が南中国海問題を処理するのを妨害する意図がある。南中国海に対する中国の判断は、情勢は全体的に安定しているというものだ。これを踏まえて中国はASEAN諸国と南中国海問題の処理における「デュアル・トラック・ アプローチ」を明確にした。すなわち具体的争いは直接の当事国が交渉や協議を通じて解決し、南中国海の平和・安定は中国とASEAN諸国が共同で維持するというものだ。域外国は本来、中国とASEANの努力を尊重し、建設的役割を発揮すべきだ。だが米国はあくまでもこれに逆行し、故意に緊張を作り出し、安定を破壊しようとしている。
米国は南中国海をかき乱せば利益を得られると一方的な願望を抱いている。だが事実がすでに証明しているように、南中国海問題の悪化は各国の利益に反し、他国を損ない自国にもマイナスだ。また、関係に水を差し、派閥を汲むことは問題解決に無益であり、同じ方向に向かうことこそが正しい道だ。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年3月20日