2011年から12年にかけて放送され大ヒットとなった中国のドラマ「宮廷の諍い女(原題:後宮・甄嬛伝)」の米国版が、米映像ストリーミング配信事業会社・ネットフリックスから配信されることがこのほど明らかになった。同ドラマの脚本を担当した王小平氏が明らかにした。米国版をめぐっては、「2015年、米ケーブルテレビ放送局・HBOで放送される」と話題になっていたものの、HBOの責任者が今年初めに放送を否定していた。また、製作会社によると、中国動画配信サービス・楽視網も米国版を配信することが確定しているほか、中国の衛星テレビと放送に向けた交渉を行っているという。楚天都市報が報じた。
有料サイトで1週間に1話ずつ
ネットフリックスは動画の有料配信サイトで、映画やドラマを見るためには月定額8.99ドル(約1080円)を支払わなければならない。米国版「宮廷の諍い女」は計6話、1話あたり90分。米国人の習慣に合わせて、1週間に1話ずつ配信される。
米国版の翻訳に対する中国人の評価は?
中国では現在、米国版がどのようにフィルム編集されているかやそのストーリーを知ることはできないが、ネットユーザーが最近アップしたスクリーンショット画像を見ると、注目の的となっている「翻訳」を垣間見ることができる。例えば、ネットフリックスのサイトでは、「宮廷の諍い女」が「Empresses in the Palace(宮廷の妃嬪達)」、後宮の実質的権力者・華妃が自分の権威を確保するために使った「一丈紅(板で腰より下を血糊に染まるまで打つ刑)」が、「The scarlet red」、「賞」が「award」と訳されている。
上記の訳は比較的適切だが、すべての訳に中国人が「100点」を付けているわけではない。例えば、ヒロイン・甄嬛の名前の由来となった「嬛嬛一裊楚宮腰(優美で、腰が細く、美しい女性という意)がそのまま「 the slim waist of the concubines of the Chu palace」と訳され、多くのネットユーザーが、「その言葉に含まれている、詩の世界のロマンが全くなくなっている」と不満をこぼしている。その点、製作会社のスタッフは、「米国の視聴者を念頭に置いているため、米国人が翻訳を担当した。中国人の視聴者がちょっと違和感を感じる訳があっても当然」と説明している。
米国版に期待していることついて、鄭暁龍(ジョン・シアオロン)監督は、「米国でどれほどの反響となるかは重要でない。重要なのは米国で配信されること。米国人に見てもらえれば、少なくとも中国の歴史や文化を少しでも知ってもらえる。これが一番重要なこと」と語っている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2015年3月17日