中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日に行われた第12期全国人民代表大会第3回会議の記者会見で、人民元相場の変動幅が最近は拡大を続けていることについて、「中国経済の開放レベルがますます高まる状況の中で、これは正常な現象だ」との見方を示した。新華網が伝えた。
周総裁は、「人民元相場の変動は国内経済の基本的な側面だけで決まるものではなく、国際金融市場を含む国際的な場面での人民元の需給関係によっても決まるものだ。また相場の変動幅は国際情勢に重大な事件があるかどうか、変動があるかどうかとも関係がある」と述べた。
また周総裁は、「昨年以来、国際情勢は落ち着いているとはいえず、多くの要因が相場を変動させている。一時期の変動幅をみると、人民元を世界の多くの通貨と比較すれば相対的に安定しており、変動幅は比較的小さいといえる」と述べた。
周総裁の見方によると、「人民元相場が変動するもう一つの重要な要因は米ドルが強くなり始めたことだ。香港ドルと米ドルはより緊密に連動し、人民元の米ドルに対する変動は人民元と香港ドルの相場に反映されるため、人民元相場もこれにともなって変動したのだ」という。
周総裁は、「全体としてみれば、人民元の変動は正常なことだと考えている。貿易企業、投資家、金融市場の参加者は、このような変動に対し基本的に正しい対応をすることができる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年3月13日