今年に入り為替相場で人民元が対ドルで下落を続けている。1月26日、27日、28日、29日、2月2日には、一時中心レートが1.9%安、1.7%安、1.94%安、1.9%安、1.984%安となり、いずれも、中国人民銀行(中央銀行)が設定する対ドル許容変動幅上下2%に接近した。中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝・副総裁は1月23日、欧州中央銀行(ECB)や米国の量的緩和策により、ドル高がさらに強まり、人民元の対ドルレートも下落するだろうとの予測を示していた。
ECBは1月22日、資産の買入規模を拡大する量的緩和政策を発表。▽ 3月より、資産の買入規模は従来の民間債券の買い入れと合わせて月間600億ユーロとする▽資産の買い入れは、少なくとも来年9月まで継続する---などとした。つまり、中央銀行の資産規模が今後18カ月で約1兆ユーロ増加する見込みで、予測を大きく上回った。
その他、ここ1週間で、インドやエジプト、ペルー、デンマーク、トルコ、カナダなどの中央銀行が、利息の引き下げを発表した。うち、デンマークは1週間で2度の引き下げを実施し、英国も利息引き上げ案を否決し、年内の引き上げはないと見られる。
米国経済の安定した回復を背景に、今後もドル高元安の傾向は続くと予測されている。
また、中国国内と海外における、ドル相場の大きな差も、元安の主な原因となっている。
中国建設銀行の金融市場部の韓会師氏は、「海外市場では、中国よりも予想に敏感な反応を示し、ドル高傾向継続の予想が高まっているのを背景に、海外におけるドルの予想相場が中国のそれを明らかに上回っている。そのため、条件が揃う企業は、海外で為替決済し、中国国内で為替購入する傾向が強まるだろう」と予想している。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年2月3日