世界経済の復興ペースの遅さ、外部需要の弱まりに影響されて、2014年の中国の対外貿易は増加率が鈍化した。税関総署がこのほど発表した最新のデータによると、14年の輸出入総額は26兆4300億元(1元は約19円)で前年比2.3%増加した。輸入は減少したが輸出は増加傾向を維持するというのが新たな特徴で、先端設備の輸出を含む資本の輸出が、これまでのロークラスの「メードインチャイナ」製品に代わって世界各国に迎え入れられつつある。商務部(商務省)の高虎城部長はこのほど、「中国は資本輸出時代に突入しており、対外投資が対外貿易と結びつくことになる。今後は、中国の輸出に質的な変化が生じ、資本の輸出がもつ特徴が対外貿易データに反映されるようになる」と指摘した。「人民日報」海外版が伝えた。
▽新興市場の貿易比率が上昇
対外貿易産業にとって、14年は国内でも国外でもさまざまな困難に見舞われ、前進するのが難しい年だった。税関総署の鄭躍声報道官(総合統計司司長)は、「国外の状況をみると、2014年のグローバル経済は急速な回復の兆しをみせることなく、先進エコノミーの経済成長には目立った相違があった。中国の主要貿易パートナーの経済状況は思い通りにいかないところが多く、中国の対外貿易輸出入の高度成長の継続を支えることが難しかった。国内の状況をみると、中国の対外貿易輸出入における低コストという強みがどんどん弱まって、先進国の中国製造業に対する投資が減少し、このことが輸出入を抑制した」と説明した。
通年の対外貿易の伸びは期待された目標を達成しなかったが、現在も中国の対外貿易は世界の主要エコノミーの中で好調な部類に属し、対外貿易の発展は質、効率ともに向上している。税関総署の分析によると、輸出では中国製品の国際市場に占めるシェアが目立って上昇している。輸入では主要貿易相手先の中国市場に対する依存度が絶えず高まっており、中国の対外貿易輸入はグローバル経済の復興牽引で重要な役割を果たしているという。
税関がまとめた統計をみると、14年は新興市場との二国間貿易の割合が上昇し、市場の多様化が積極的に進展したことがうかがえる。通年でみると一般貿易の割合の上昇から、貿易モデルがより合理的になっていることがわかり、民間企業の割合の上昇から、対外貿易の内在的なエネルギーがより強まっていることがわかる。また輸出入の商品構造が最適化とバージョンアップを続けていることや、貿易取引における価格決定の条件が改善され、対外貿易の利益が増加したことがわかる。