第一に、中国の消費者の間で大画面の新製品「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」の評判が高いこと。両製品の大陸部での予約受付は昨年10月10日に始まったが、3日後には通販サイト「京東商城」の予約台数が1000万台に迫り、3大通信キャリアとその他の通販サイトを合わせた予約台数は2000万台を超えた。アナリストによると、iPhoneとりわけiPhone 6 plusは今春も中国で力強い需要があると見られる。中国のiPhone人気の原因はまず、iPhoneを持っていることがステイタスシンボルになることが挙げられる。サイズが小さいためにこれまで抑えられて来たステイタスシンボルとしての価値が、大画面製品の登場によってさらに高まったと考えられる。またアジアでは、資源に限りがあるという意識があるために、一つの商品にできるだけ多くの機能を求める。iPhone 6 Plusはタブレットと携帯の両方を兼ね備えていることが人気を呼んだ。iPhone 6 Plusはさらに、バッテリーの持続時間が大きく伸びたことも魅力となった。
第二に、中国最大の通信キャリアの中国移動(チャイナ・モバイル)との協力が功を奏したこと。アップルは公式サイトで2013年末、中国移動と合意を締結し、中国移動版の「iPhone 5c」と「iPhone 5s」を翌年1月17日から発売すると発表した。予約は1月25日からの受け付けとなった。中国移動にとっては自社版iPhoneの6年越しの実現となった。アップルにとっては、中国最大の通信キャリアと協力することで中国市場の開拓を進めるねらいがあった。iPhone 6の爆発的な売り上げの裏にもこの協力があったと見られる。
▽世界最大のスマートフォン市場
中国のスマートフォン市場はもともと大きく、スマートフォンの総販売台数は米国の3倍に達する。
シンクタンク企業の中国インターネット実験室が行った昨年のスマートフォン産業についての報告によると、世界のスマートフォン市場は13億台に迫り、そのうち中国市場が3億6千万台を占めている。