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燃料電池車の普及を狙い、トヨタが特許を無償公開 (2)

人民網日本語版 2015年01月13日10:35

野村総合研究所(NRI)コンサルティング事業本部自動車・ハイテク産業コンサルティング部の張翼主任コンサルタントは、「トヨタの特許公開の最大の狙いは周辺の部品サプライヤーを引き寄せ、より多くの資源を投入して燃料電池車の研究開発に関与させることにある。公開する特許約5千件のうち、燃料電池の発電メカニズムのコア部品である電堆の技術に関するものが2千件を超え、トヨタ1社で研究開発から生産まですべてを手がけるのは不可能だ。開発コストが巨額であるため、燃料電池車の研究開発は国際協力を強化し、相乗効果を生み出すことによってしかなし得ない。現在、トヨタとBMWの陣営、日産とダイムラーとフォードの陣営、ホンダとゼネラルモーターズ(GM)の陣営の3つの陣営がある。トヨタは特許公開によって部品メーカーの集結を加速させ、燃料電池自動車産業の基準制定で主導権を握りたい考えだ。燃料電池車というまったく新しい分野で、同道者と協力し、競争していかなければ、販売台数は伸びず、市場を形成することは難しく、インフラ建設も進まなくなる」と話す。

燃料電池車が普及するかどうかは水素充填スタンドの建設にかかっている。現在、日本国内で設置が決まっているスタンドは45カ所だけで、東京、名古屋、大阪、福岡などの大都市に限られる。トヨタの前川真基副社長は、「燃料電池車を取り巻く環境の整備は始まったばかりだ」と話す。日本政府は15年に110億円を投じ、全国に水素充填スタンド100カ所を建設する計画だ。1カ所あたりの平均建設費用は4億~5億円で、このうち3分の2を政府が負担するという。

大量生産を実現できるか、価格を抑えることができるかが、燃料電池車の勝敗を分けるカギだ。トヨタ「ミライ」の市場販売価格は723万6千円で、日本政府が購入者に202万円の補助金を支給するとともに、税金を減額する優遇措置を打ち出すため、実際の価格は500万円ほどになる。日本政府は25年頃をめどに燃料電池車の価格をハイブリッドカーと同程度の水準まで引き下げたいとしている。

張氏は、「ミライの登場は業界に好評をもって迎えられたが、今はまだ愛好者だけが喜んでいる段階で、大規模な量産の実現にはまだ時間がかかる。トヨタの特許公開は自動車メーカー間の競争や協力を加速させ、燃料電池車産業全体の発展を推進する上でプラスになる」と話す。(編集KS)

「人民網日本語版」2015年1月13日


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