中国の観光業界は新たなビザ政策を総じて歓迎しているが、異なる見方を示す業界関係者や学者もいる。張西竜代表によると、一部の論者は、収入などを根拠として観光客を制限することは、「観光は平和産業である」という基本的な精神に背くものだと主張している。ビザ発給条件に各種制限を設けている国は少なくないが、日本のように「高所得者だけを歓迎する」と政府が公言している先進国はあまり見当たらない。
張西竜代表によると、日本は、中国人観光客が日本で消費し、日本経済の発展を促すことを希望する一方で、中国人観光客に厳しいビザ発給条件を課している。これは日本の現在の観光業の受け入れ能力に限りがあるためだ。観光業の発展、とりわけ海外からの観光客受け入れは、多くの産業による共同促進が必要となる。交通や宿泊、観光スポットなどのハード面の設備が必要なだけでなく、ガイドや公共サービスなどの補助的な要素も不可欠となる。
日本政府は近年、海外からの観光客受け入れへの投資を拡大し、観光関連宣伝経費は連続10年で増加し、訪日外国人観光客は増え続けている。だがもう一方で、日本の観光産業の受け入れ能力はすでにほぼ飽和状態となっており、中国人観光客に対するビザ条件を大幅に緩和してしまえば、訪日観光客が過度に増加し、日本がこれに適切に対応できないという状況が生まれかねなくなっている。
日本が中国人観光客に対するビザ発給条件を一定条件下で緩和したことは、円安などの要素と相まって、さらに多くの中国人観光客を日本旅行に引きつけることになる。張西竜代表によると、中国人観光客は日本経済に大きな利益をもたらしており、日本の観光客受け入れ能力が高まれば、日本は今後も中国人観光客のビザ発給条件をさらに緩和していく見込みだ。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年1月13日