全国低空空域管理改革活動会議によると、広州、海南、杭州、重慶を含む10都市で1千メートル以下の低空域の管理改革を試験的に進めており、2015年には範囲を全国に拡大する予定だ。そうなると農業・林業の農薬散布や潅漑作業、スポーツ飛行、観光遊覧飛行などが真っ先に恩恵を受けることになるという。「京華時報」が伝えた。
現在、瀋陽と杭州の2大飛行管制区と海南島、長春、広州、唐山、西安、青島、杭州、寧波(ニンポー)、昆明、重慶の10小区で高度1千メートル以下の低空域の管理改革テスト事業が進められており、15年には規模を全国に拡大する予定だ。こうした動きは、中国の低空空域資源の管理が粗放型から精密型へと転換することを意味している。
一般航空という概念がある。軍事、警察業務、税関の密輸取り締まりのための航空および公共航空輸送の航空を除く航空活動を指し、工業、農業、林業の作業のための航空と医療・衛生、救助活動、教育・訓練、文化・スポーツ、旅行・観光などのための航空が含まれる。こうした作業・活動に利用される航空機を一般航空機と総称する。
▽解説:一般航空への影響は限定的
実際のところ、1千メートル以下の低空域の開放が一般航空産業に与える影響は限定的だ。
一般航空の専門家の多くが、1千メートル以下の空域がカバーする範囲は、農林業の農薬散布と潅漑作業、スポーツ愛好家のスポーツ飛行、一般航空機での観光遊覧飛行に限られる。通勤用や旅客・貨物輸送に利用する一般航空機と民間航空機の飛行高度はいずれも1千メートルを超える、と話す。
中国民用航空局の王志清副局長はこのたびの低空域改革の会議で、「空域の区分設定をさらに改善したいなら、低空域の区分基準を3千メートルに引き上げるのがよい」と提案した。
中国の民用航空産業では一般的に、100メートル以下を超低空域、100~1千メートルを低空域、1千~6千メートルを中空域としているが、米国では3千メートル以下を低空域に区分する。
▽プライベート機の大発展の時期はまだまだ先