中国人民銀行(中央銀行)は2年ぶりに金利引き下げに踏み切った。今月22日から金融機関の人民元建ての貸出と預金の基準金利を引き下げたのだ。すると多くの人々は、金利が下がるとローンの月々の返済額がどれくらい減るのかとか、預金や資産運用はどこを選ぶといいのかとか、投資はどこにすべきかといったことをあれこれ考えるようになった。「新華網」が伝えた。
▽月返済額の減少は食事1回分ほど
利下げの情報が伝わると、住宅ローンを抱える人で目端の利く人は、「微信」(WeChat)のモーメンツで、「毎月のローン返済額が(有名レストラン)南京大排檔の食事1回分少なくなる。みんな、食事に行こう」とメッセージを送った。
北京市豊台区に住む王さんは、「ざっと計算すると、これまでの金利が6%引きになるということだ。調整後の貸出基準金利で計算すると、100万元(1元は約19.2円)を30年間の元利均等返済で借りた場合、毎月の返済額は約262元減ることになる」と話す。
不動産大手・中原地産の張大偉チーフアナリストは、「不動産を購入する人にとってはローンのコストが安くなるので、硬直的需要(値段の影響を受けにくい需要)を喚起することは間違いない。基準金利に基づくと、20年間で住宅ローン100万元を返済する場合(ビジネスローン)、利息が約5万6千元安くなる」と話す。
▽預金と資産運用 収益が高いのはどこ?
これまでと違い、人民銀は今回の金利調整で1年満期の預金の金利を0.25ポイント引き下げると同時に、預金金利の変動幅の上限を基準金利の1.1倍から1.2倍に調整した。これはつまり、利下げ後も預金金利の上限は3.3%になるということを意味する。
また銀行が販売する資産運用商品の多くは市場金利と連動しているため、利下げがこうした商品の期待収益率に影響を与える可能性がある。