第31次南極科学観測に使用されるロボットの出発式が、27日に北京航空航天大学で開かれた。中国の南極観測の需要(2015年の固定翼機の使用、氷床における空港の建設地選定および建設の需要)に答えるため、ロボットは今回の南極科学観測において、中国極地ロボットの実際の技術状況に基づき、中山基地新空港の建設予定地である氷床の観測という試験的応用任務を遂行する。中国の極地ロボットが科学観測の中で、応用任務を遂行するのはこれが初めてだ。人民日報が伝えた。
中山基地で新空港の建設地を選択する飛行ロボットは、無人機「大白鯊」だ。同機は中国の飛行ロボットのうち最大で、翼幅は5.4メートル、長さは3.2メートル、最大離陸重量は70キロ、航続時間は3時間。氷床の広範囲の観測により、科学データを入手できる。
第31次南極科学観測のロボットチームを率いる、北京航空航天大学機械工学・自動化学院准教授の梁建宏氏は、「同機の設計は科学観測に適している。エンジンは後部に取り付けられており、設備を積むスペースが広い。また機体は3段式の設計を採用しており、分解可能で輸送に適している。エンジンは信頼性の高いダブル点火システムを採用。ナビゲーション・飛行制御システムも中国が独自に開発したもので、中国の衛星測位システム「北斗」のナビゲーションに対応しており、長距離・超低空飛行モードに調整されている」と説明した。
飛行ロボットの他に、中国科学院瀋陽自動化研究所は今回の南極観測に、雪上無人車を始めとする雪上ロボットを派遣する。これらのロボットは深層氷床探査レーダーを搭載しており、氷床の深層を探査し、その状態や氷河の構造を調査する。
「極地科学観測ロボット装備」は、国家ハイテク研究発展計画(863計画)の重点プロジェクトで、氷床走査ロボット、低空固定翼ロボット、超低空ジャイロロボット、および深層氷床探査レーダーを含む設備の開発に取り組んでいる。同プロジェクトは風力発電動力による氷床走査ロボット、風力駆動式ソリ移動ロボット、海氷海域探査ロボットの実験機の開発を模索している。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月28日