習近平国家主席は先日インド世界問題評議会(ICWA)で講演し、中印はより緊密な発展パートナー、成長をリードする協力パートナー、戦略的協力のグローバルパートナーとなり、手を携えて民族復興の夢を追い、南アジアの発展に一層の貢献を果たす必要があると強調した。これは今年3月の訪欧時に習主席が打ち出した中欧の平和パートナー、成長パートナー、改革パートナー、文明パートナーの発展に続く、中国外交モデルについてのさらなる説明だ。(文:王義桅・中国人民大学国際問題研究所所長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
いわゆる中国外交モデルとは、中国モデルの外交分野における体現だ。中国外交モデルは以下の面を含む。
第1に、外交理念:平和、発展、協力、ウィンウィン。先進国に対しては利益共同体の構築に尽力し、途上国に対しては運命共同体の構築に尽力し、周辺国に対しては「親、誠、恵、容」に尽力し、米国に対しては非衝突、非対立、相互尊重、協力・ウィンウィンの新型の大国関係の構築を追求する。外的平和と内的安全は各国が共通して求める目標だ。このため中国外交は「共通、総合、協調的、持続可能」というアジア新安全保障観を積極的に提唱。核心的利益を断固として守ると同時に、相手国の利益面の関心も尊重し、世界との互恵・ウィンウィンを最大限目指す。
第2に、外交戦略:シルクロード経済ベルト、21世紀の海のシルクロードという「1ベルト、1ロード」を通じて、グローバル化のあまねく広がる発展に尽力し、「政策の意思疎通、道路の連結、貿易の円滑性、通貨の流通、民心の通じ合い」を達成する。沿海地区だけでなく内地、内陸国もグローバル化のメリットを共に享受できるようにし、西側とは異なるグローバル化戦略を創始した。
第3に、外交哲学:自国の国情にあった発展の道を歩むよう他国を励まし、中国の夢と世界の夢の通じ合いを図ることは、中国モデルの国家ガバナンスと民族復興のレベルでの外交分野における体現だ。アジアインフラ投資銀行、BRICS銀行、上海協力銀行の設立を提唱することで、中国の比較優位を世界にとってのチャンスに転化する。このため中国外交哲学は「己の欲せざる所、人に施す勿かれ」「己立たんと欲して人を立て」「己達せんと欲して人を達す」の三位一体だ。
中国外交モデルは習主席のインドでの講演ではっきりと具体的に示された。習主席は次のように主張した。
(1)中印両国はより緊密な発展パートナーとなり、民族復興を共同で実現する必要がある。われわれは発展に焦点を合わせ、ノウハウを共有し、互恵協力を深化し、強みによる相互補完を実現し、中国の西への開放とインドのルックイースト政策を結合させ、世界で最も競争力ある生産基地、最も吸引力ある消費市場、最も牽引力ある成長のエンジンを築き、両国の古代のヒューマニティーを発揚し、中印二大文明の交流・相互参考の活発化を重視すべきだ。
(2)中印両国は成長をリードする協力パートナーとなり、手を携えてアジアの繁栄・振興を推進する必要がある。中印両国は地域の発展を牽引する急行列車となり、地域経済統合とコネクティビティ強化のプロセスを関係国と共に推進し、地域の平和を安定させる2つの錨となり、アジア太平洋地域に開放、透明、平等、包摂の安全・協力メカニズムを構築すべく共に尽力し、共通の安全保障、総合安全保障、協調的安全保障、持続可能な安全保障を実現する必要がある。
(3)中印両国は戦略的協力のグローバルパートナーとなり、より公正で合理的な方向への国際秩序の発展を促す必要がある。中印両国は平和共存五原則を継承、発揚し、主権の平等、公平・正義、共通の安全保障を堅持し、共同発展、協力・ウィンウィン、包摂・相互参考を堅持し、自らの発展によって世界経済の成長とグローバル・ガバナンスに一層の貢献を果たし、グローバルな問題で無数の発展途上国の利益を代表する案を示す必要がある。
一言で言えば、中国外交モデルの精髄は「中国に源を発するが世界に属する」にある。これは中国モデルの外交分野における具体的体現であり、平等・相互信頼・、包摂・相互参考、協力・ウィンウィンの精神に従い、各国の国情および中国との関係に基づき、様々なパートナーシップを構築、発展させ、中国外交モデルの多様性と整合性を豊かにし、発展させるものだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年9月22日