中国では全国統一大学入試が6月に終わり、各大学は現在、合格通知を発送し、合格した学生らは新しい大学生活を心待ちにしている。一方、来年以降に大学入試を受ける学生らは、夏休みに必死になって勉強を続けている。そのような学生に目を付けた業者は、大学入試の各省・自治区・ 直轄市における成績最優秀者が実際に書いたノートのコピーを販売し、一稼ぎしている。中国の大手ネットショップ「淘宝」では、「最優秀者のノート」商戦の火蓋が切って落とされた。北京晩報が報じた。
1カ月で販売数1795件のショップも
淘宝で、「最優秀者のノート」と検索すると、7532件ヒットした。うち、中国最高峰の北京大学や清華大学(北京)に毎年多くの学生を送り込んでいる名門・河北衡水中学(中高一貫校)の「最優秀者のノート」が、全体の大部分を占めていた。販売しているショップが多いため、各ショップが販売促進のためにしのぎを削っている。例えば、「高校名」では検索上位に入らないショップは、「2014清華大学の最優秀者のノート」や「北京大学の最優秀者の手書きノート」など、名門大学の名前を入れたフレーズで目を引こうとしている。また、本物の清華大学の最優秀者のノートであることを証明するために、清華大から発送されたとする宅配便の配達状況のキャプチャ画像をアップし、信用度を上げようとしているショップもある。
衡水中学の最優秀者のノートの販売数が最も多いショップでは、1カ月の販売数が1795件に達していた。同ショップが販売しているノートは、▽国語▽数学▽英語▽物理▽化学▽生物▽総合の7種類。うち、最も高いのが6科総合の299元(約4900円)で、最も安いのが物理の69元(約1100円)。7種類の平均額119元(約1900円)で計算すると、1カ月の売上額は21万元(約346万円)以上となり、かなり儲かっていると予想される。
購入は気休め?
最優秀者のノート(英語)を購入した山東省に住む李さん(女性)は、「弟が9月に高校3年生になる。数学、物理、化学の成績が非常にいいが、英語が苦手。弟にはこの参考書を使って、英語の一番いい勉強方法を学んでほしい。10点でも上がったらそれでいい」と語った。また、最優秀者のノートが人気になっていることに関して、ある教師は、「もし、偽物のノートを買ってしまったら、成績が上がるどころか、正常な学習もできなくなる。また、省によって大学入試の問題も違うため、ある場所の学習の心得が他の場所には適さないこともある」と注意を呼び掛けている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2014年7月17日