対外貿易における新たな競争優位を育てるには、法律体系と市場環境が無視できない重要なファクターとなる。霍院長によると、課題報告では、法律体系と市場環境の整備も論じられている。「カギとなるのは市場環境だ。報告では主に、改革と開放のさらなる深化をいかに進め、公平な競争が行われる市場環境をいかに創りだすかに重点が置かれた。これは発展の根本的な要素となる」
課題報告では、政府の役割の位置付けにも相応の調整が行われた。「将来の発展において政府は、公平な競争が行われる市場環境の整備に力を集中させ、市場を誘導する役割を負うべきだ。企業の競争行為の直接指導は避けなければならない。どの企業が何をするか、どの企業がいかに調整すべきかということは具体的に計画すべきではない。より大きな役割を経営主体に負わせ、資源配置において市場が主導的役割を果たすようにしなければならない」
世界経済の各分野への情報技術の浸透に伴い、電子商取引は、新たな時期の貿易の重要なプラットフォーム・手段となりつつある。霍院長は、新たな競争優位を育てるためには、新たな貿易プラットフォームの形成が必要だと指摘する。「義烏の国際貿易総合改革試行の経験などは非常に有益なものだ。またインターネット販売のプラットフォームや電子商取引のプラットフォーム、さらには大型取引展示会のプラットフォームなども、課題報告で高く評価されている」
▽2030年頃までに貿易強国を実現
中国の輸出製品は現在、加工貿易によるものが多く、自前の知的財産権を持つものは少ない。中国は、繊維製品や玩具など労働集約型製品の最大の輸出国だが、貿易規則に基づく処罰にしばしば苦しめられている。商務部がこのほど発表した「国別貿易投資環境報告2014」によると、中国は依然として、保護貿易主義の最大の被害国である。
状況の改善は必然的な流れとなっている。事情に詳しい商務部関係者によると、「現在、国務院や商務部を通じて複数の部門が連携し、貿易強国への各地方の重視を高め、貿易強国実現のプロセスを進める政策を策定している」