欧州中央銀行は5日、ユーロ圏の政策金利を0.1ポイント引き下げて0.15%、中銀預金金利を0.1ポイント引き下げて-0.1%、限界貸出金利を0.35ポイント引き下げて0.4%とすることを決めた。11日から実施する。世界の主要な中央銀行でマイナス金利を実施するのは欧州中央銀行が初めて。ユーロ圏が初のマイナス金利時代を迎えた。
中銀預金金利とは、商業銀行が中央銀行に預け入れる余剰資金の金利を指す。マイナス金利の導入は、ユーロ圏の商業銀行が欧州中央銀行への預金に「罰金」を払わなければならないことを意味する。マイナス金利政策が理想的な効果を上げれば、商業銀行が中銀に預けていた準備金を回収し、企業や個人への融資を活発化することが期待できる。
欧州中央銀行の前回の金利引き下げは昨年11月で、今回は6カ月ぶり。2008年10月の金融危機勃発以来、2011年に金利引き上げが2回行われたのを除き、欧州中央銀行は一貫して金利引き下げの政策を取ってきた。だがその効果は理想的だったとは言えない。
欧州中央銀行のドラギ総裁は、今後もさらなる緩和措置を取る可能性を示し、量的緩和を準備していることも示唆した。
専門家によると、欧州中央銀行の今回の措置は、新興市場への連鎖反応を生む可能性がある。資本逃避の傾向の緩和と同時に、流動性のさらなる高まりによるインフレ圧力の増大も考えられる。
申銀万国のチーフエコノミストである李慧勇氏によると、中国への影響は総じて大きくない。「中国の金融政策に影響が大きいのは米ドル資産で、ユーロや円の資産はそれほど影響しない。欧州中央銀行の緩和措置は中国の金融緩和への予期を高める可能性があるが、実際の影響は限定的なものにとどまる」。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年6月9日