米商務省は6月3日、中国から米国に輸出される中国製の結晶シリコン系ソーラー製品が不当な政府補助金の対象になっているとして、18.56−35.21%の反補助金関税を課す仮決定を発表した。仮決定の結果に基づき、米商務省は税関当局に対して、中国製ソーラー製品から保証金を徴収するよう通知を出した。人民日報が伝えた。
この措置は米ソーラー産業から反発を受け、「手頃な価格の太陽光エネルギーのための連合」は「深い失望」を表明した。同連合は本紙記者に宛てた声明文の中で、「この仮決定はソーラー産業全体の重大な障害となり、太陽光発電費を増加させ、米国経済の中で急成長する業界の雇用機会を損ねる」と指摘した。
米国は2012年11月にも、中国製ソーラー電池に反ダンピング・反補助金関税を課していたが、今回再び貿易の壁を設置した。しかも今回の調査範囲は、ソーラー電池からソーラー製品に拡大された。ソーラー製品には、電池、モジュール、積層材、パネルなどが含まれ、反ダンピング調査の範囲も中国台湾地区まで拡大された。業界関係者は、「これは半分開かれていたドアを閉めきったようなもので、中国の関連産業に強い衝撃をもたらすだろう」と指摘した。
中国商務部(省)貿易救済調査局の関係者は6月4日、「米国は再び中国のソーラー製品に調査を実施し、高額の関税を課そうとしているが、中国はこれに強い不満を表明する。米国は年初に事実と法的根拠を無視して、相矛盾する原産地規則を適用し、中国の同一のソーラー製品に対して再び調査を実施し、高い関税率を設定した仮決定を下した。米国は中国製品に制限的な措置をとっているが、これは貿易救済措置の濫用であり、保護主義が色濃く反映されており、中米ソーラー製品貿易の紛争をエスカレートさせるだろう」と表明した。
同氏は、「貿易救済措置を立て続けに講じても、米国のソーラー産業自身の発展の問題を解決できない。米国は今回の調査を慎重に処理し、調査手続きを早急に終わらせ、世界ソーラー産業のために良好な競争環境を創造するべきだ。中国は本件の進展に注目し、自国の合法的な権益を保護する権利を守るため、措置を保留する」と述べた。
米デュポンPVソリューション事業のコンラッド・バーク氏は取材に応じた際に、「貿易紛争によりソーラーパネルのコストが上昇し、川上の材料・設備サプライヤー、川下のエネルギー消費者の利益を損ね、米国やその他の地方のソーラー産業の雇用機会を脅かす。開放と公平を基調とする貿易構造は、世界ソーラー産業の発展にとって極めて重要だ。この構造は世界の協力を可能にし、エネルギー市場のモデルチェンジを刺激し、太陽光発電の電気料金引き下げを加速する」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年6月6日