新中日友好21世紀委員会の中国側座長を務める唐家セン元国務委員は5日、中日両国関係を改善し、発展させるには、表層問題と深層問題を共に行う必要があると指摘。「表層問題」の当面の急務として、歴史問題と釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題の適切な処理を挙げた。中国新聞網が伝えた。
唐氏は「歴史問題は13億中国人民の感情に関わる。われわれが日本の指導者による靖国神社参拝に反対するのは、第1に侵略戦争を直接画策・指揮したA級戦犯が祀られているからであり、第2に靖国神社がいまだに『侵略無罪、戦争有理』という誤った歴史観を堅持し、公然と喧伝しているからだ。これはアジア被害国の民族の尊厳に関わり、歴史の正義と人類の良知に関わる重大な原則問題だ。現在の問題は中韓などアジア近隣国が歴史問題を握って放さないことではなく、日本自身が過去を直視して歴史の重荷を下ろそうとしないことだ。日本の政府と指導者がアジア近隣国との関係の大局と日本自身の長期的利益という観点に立って、中日共同声明の精神に真に従い、軍国主義と明確に一線を画し、侵略の歴史を反省するとの歴代政権の姿勢表明と約束を誠実に履行し、実際の行動によって問題を適切に処理し、アジア近隣国の信頼を得ることを希望する」と指摘した。
釣魚島問題については「釣魚島問題には長い歴史があり、中国側の立場には十分な歴史的根拠、法理上の根拠がある。過去数10年間、双方は国交正常化時と平和友好条約締結時の両国指導者の了解と共通認識に基づき、適切に取り扱い、この問題が両国関係の立て直しと発展の障害にならないようにしてきた。2012年に日本政府は中国側の断固たる反対を顧みず、いわゆる『国有化』を頑なに行い、こうした現状を打ち破った。このため中国側はやむなく必要な措置を講じて、自らの立場を守らざるを得なくなった」と指摘。「領土問題はどの国でも非常に敏感で、民族感情に影響を与えやすく、軽々に触れるべきではない。これにかこつけて外部の脅威を誇張し、さらには中国が『力で現状を変更している』とまで言い、人為的に緊張と対立を引き起こすのは、なおさらに無責任な『火遊び』行為だ。中国側は領有権問題において譲歩の余地はないが、対話と協議を通じた問題の平和的解決を終始主張し、かつ積極的に尽力している。両国の上の代の指導者の40数年前の重要な了解と共通認識は、双方が今日釣魚島問題を処理するうえでもなお非常に重要な現実的指導意義を備えている。問題に真っ直ぐに向き合い、同じ方向に向かい、立場の溝を超えた知恵を出して初めて、係争を改めて管理・コントロールし、問題を解決する方法を見いだし、この問題が両国関係への長期的な妨げとなることを避けられる」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2014年6月6日