米国防総省は6日、中国の軍事動向に関する年次報告書を発表した。中国の軍事専門家は「報告は例年通り『中国の脅威』という時代遅れの陳腐な決まり文句と『冷戦』思考を引き継ぎ、対中『接触』『防備』の両面戦略を反映しており、中国の正常な国防整備に対する『焦慮』に満ちている。両国・両軍の相互信頼強化にとって何らメリットがなく、廃止すべきだ」との認識を示した。新華網が伝えた。
例年の報告と同様、今年の報告も引き続き「中国は将来安定を保てない」「サイバー、宇宙の新型能力を無責任に強化、運用している」「非公開の国防費がある」などいわれなき非難をし、中国の「接近阻止、領域拒否」能力を誇張したうえ、「否認と欺瞞」という新たなレッテルも創り出した。
軍事科学院中米防衛関係研究センターの趙蔚彬大佐は「こうした論調は、中国の国防力強化に対する米側の邪推を反映しており、情報戦力、サイバー戦力整備の口実にもなる」と指摘した。
報告は中国の海洋紛争について盛んに書き立てた。中国は紛争を平和的に解決する立場を繰り返し表明しているにも関わらず、報告は中国軍は台湾との戦争に備えて準備をしているだけでなく、南中国海、東中国海でも挑発を行っていると断言。情勢をかき乱そうとする心理を余すところなく露呈した。
注目に値するのは、これまでの年次報告では、中国は実戦条件下での演習が不十分で、部隊は実戦経験を欠くとの認識が通常だったのに対し、今年は論調を大転換し、中国海軍の遠洋演習に特に注目したうえ、中国軍が西太平洋にまで到達したことに繰り返し言及したことだ。
「中国の武装部隊の多様化運用の発展に伴い、中国の軍事的近代化に対する米側の『関心』『懸念』は『焦り』にまで発展した」。趙氏は「中国軍事力報告の発表を通じて、中国の国際的イメージを傷つけ、中国に対する国際社会の疑念や懸念、恐れを深めさせ、自らの世界戦略のために中国を抑圧し、封じ込めようとする米側の意図は非常に明白だ」と指摘した。