中国科学院が17日に明らかにしたところによると、劉静教授が率いる清華大学・中国科学院理化技術研究所の研究チームは、液体金属に基づく植え込み型バイオ医学電子機器体内3Dプリンタ技術を開発した。この方法は新たな道を切り開き、医療機器植え込み技術の新方法となる可能性がある。同研究論文はこのほど、ネイチャー・パブリッシング・グループの発行する「Scientific Reports」に掲載された。人民日報が伝えた。
劉教授は、「3Dプリンタの原理を利用し、ミクロ注射器の針の方向、注射の部位、注射量、針の移動と速度を制御することで、科学者は低侵襲の手段により生物体内の目標組織にインクジェット注射・成形を直接実施する、医療用電子機器の製造方法を開発した」と説明した。
これまで脳深部刺激装置、ペースメーカーなどの植え込み型の医療機器は、移植手術が大掛かりで、患者の損傷が大きく、頭蓋骨切開・開胸手術、機器の植え込み、傷口の縫合といった複雑な手順を踏まなければならなかった。これは患者の心身を苦しめるほか、傷口が大きすぎ併発症や感染のリスクが生まれる。今回開発された便利で手軽な体内柔性電子機器直接印刷製造方法は、患者の負担を緩和すると同時に、フレキシブルな植え込み型医療電子技術の進歩を促す。
劉教授は、「すべての部品とモジュールが、ミクロ注射器の液体注射方式を採用しているため、手術の全過程が低侵襲となる。さらに手術用ロボットを使用すれば、手順を大幅に簡略化できるだろう」と語った。(編集YF)