対外貿易のeコマース 潜在力は巨大
伝統的な対外貿易モデルは、多くの中間業者が何重にも「コストを上乗せ」し、生産者と消費者は直接つながらない。一方、中小規模の対外貿易企業や起業家は国境を越えた貿易における電子商取引(eコマース)にますます注目するようになり、海外の顧客と直接取り引きしようとしている。こうした情勢に応じて、浙江省杭州市下城区に建設された中国(杭州)対外貿易電子商取引産業パークがこのほど運営をスタートした。こうした各種の政策が好材料となって、企業の「海外での鉱脈探し」が後押しされるようになった。「経済参考報」が伝えた。
▽対外貿易eコマース市場の潜在力は大
ある経済学者は、中国製造業の「バービー人形」の有名なエピソードを引用して次のように話す。中国企業が製造したバービーは1ドルで引き取られるが、最終的には米国のスーパーチェーン・ウォルマートで9.99ドルで売られる。この大きな価格差はすべて中間業者や小売業者のもうけになり、生産者や消費者には実質的なメリットは何もない。
ある統計によると、過去5年間に、中国の対外貿易輸出額は10%も伸びなかったが、同時期の対外貿易eコマースの発展ぶりには目を見張るものがあった。2012年の対外貿易eコマース取引額は2兆元に達し、前年比25%増加。また国内の中小規模メーカーは対外貿易のeコマースを通じて製品を海外に直接販売することで、利益率を従来の大口調達による取引の5-10%から30-40%に引き上げることができた。
国家情報化専門家コンサルティング委員会の楊国勲副主任によると、eコマースはもともと重要な販売促進手段であり、大量の商品データベース、個人向け広告の送信、スマート化した商品検索、口コミによる消費需要の喚起、決済方法の簡便さ・多様性といった利点を備えると同時に、世界の約200カ国・地域が対象地域であり、市場の潜在力は巨大、かつ中間段階を省いて取引を「直線化」することが可能で、暴利をむさぼる土壌を根底から覆すものだという。
▽産業パークが対外貿易のeコマースを後押し
このほど運営をスタートした中国(杭州)対外貿易電子商取引産業パークには、阿里巴巴、全麦、創夢谷、順豊、円通、探驪、郵政EMSなどの企業が続々と入居した。パークを取材すると、税関職員が現場で事務作業を進める光景のほか、税関の通関手続きサービスホール、通関作業のライン、公共サービスセンター、情報発信センター、不動産管理部門、カフェ、食堂などがそろっているのがみえる。