売春に走る日本の高齢者 原因は家計と孤独
中国メディアが見る日本 共同通信社の報道によると、警視庁は10月8日に東京のクラブ経営者の黒田清英容疑者を逮捕した。黒田容疑者は会員間の売春のあっせんをし、仲介料として約3000万円の売上を得ていた。いわゆるクラブ会員のうち、男性会員は約1000人に達し、平均年齢は約65歳だった。女性会員は約350人で、平均年齢は約60歳、最高齢は82歳だった。国際在線が伝えた。
良く知られているように、日本社会は古来より名声を生命より重んじ、一度でも罪を犯せば大きな犠牲が強いられるため、誰もが「貞節」を守ろうとする。しかしながらメディアの報道によると、1000人以上の会員を持つクラブのうち、男性会員の平均年齢は約65歳、女性は約60歳で、さらには82歳の女性会員までいたという。売春に手を染めた高齢者がこれほど多く、年齢もこれほど高齢であるとは、驚きを禁じ得ない。高齢者は自らの名声をより重んじるべきなのに、売春の道を歩んでしまうのはなぜだろうか。
日本の高齢者が売春の道を歩む最も根本的な原因は、苦しい生活だろう。これは根拠のない説ではない。暮らしを保障する十分な年金がなく、また日本の物価が高いため、生きるために「仕方なく」万引きをはたらく高齢者も多い。警視庁のまとめによると、2012年に東京都で万引を行った65歳以上の高齢者は、19歳以下の少年の数を上回った。日本の高齢者は生きるために、万引きという危険性の高い仕事にまで手を染めるのだから、売春に走るのも無理はないわけだ。
暮らしの圧力のほかに、いたわりの不足というもう一つの重要な要因がある。これは理解しやすいことだ。戦後の日本の家庭は「核家族化」が進み、若者は成人すると両親のもとを離れて一人暮らしを始める。子供と社会からのいたわりを失った日本の高齢者は孤独を感じるだろう。一部メディアは以前、日本の高齢者の孤独死が、一年間に2718件発生したと伝えた。これほど孤独であるならば、売春は金銭的利益をもたらすばかりでなく、感情面での慰めになり、高齢者の間で人気が高まるのもうなずける。
当然ながら、もう一つの原因を読者も想像できるのではなかろうか。それはつまり、日本の風俗文化の発展だ。性の開放度が高く、日本の風俗文化は世界的にも有名だ。政府も社会の世論も、風俗業に対して長期的に寛容な態度を持っている。この雰囲気の中、日本の性犯罪問題が自然と続出している。一部の女子学生は援助交際という「小遣い稼ぎ」に夢中になっているのだから、暮らしの圧力ばかりでいたわりの欠けた高齢者ならばなおさらだ。
82歳の高齢者まで売春グループに加入したことは、次の二つの問題を示している。一つ目は高齢者の物質的生活に注目と改善が必要であること、二つ目は社会全体が精神面・感情面から高齢者をいたわる必要があることだ。同じく高齢者の売春行為が相次いで伝えられている中国では、日本の経験が教訓になるはずだ。日本にせよ中国にせよ、年金支給を合理的に拡大し、社会・団地・家庭などの力を動員し高齢者をいたわることが、問題解決の道であるはずだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年10月14日