日本家電企業 赤字を続ける原因とは?
日本家電業界は輝かしい歴史を持ち、かつて数多くの世界一を創出した。パナソニック、ソニー、シャープ、日立は、人々のよく知るブランドになった。しかしながら、かつて一世を風靡した「家電王国」は今や深刻な苦境に立たされており、家電企業全体が赤字に陥っている。パナソニックの2012年会計年度の赤字額は7650億円に達し、シャープの昨年半年間の赤字額は3875億円の新記録を更新し、ソニーテレビ事業の半年間の赤字額も155億円に達した。日本3大家電メーカーは2012年通年で、約1兆7000億円の赤字を計上した。世界の格付け機関はパナソニックとシャープの信用格付けを「ジャンク級」に引き下げた。経済日報が伝えた。
日本家電メーカーの衰退は今に始まったことではない。日本の家電・電子製品の販売は2005年より年を追うごとに疲弊し、原動力不足の傾向を露呈した。テレビは家電・電子製品の代表格だ。パナソニック、ソニー、シャープは新製品開発に巨額を投じたが、韓国のサムスンやLGに追い抜かれた。韓国2大企業は2012年、世界テレビ市場で34%のシェアを占めたが、日本6大企業のシェアはわずか31%のみとなった。販売ランキングのうち、サムスンが1位、LGが2位となり、パナソニックが3位に甘んじ、ソニー、シャープ、東芝はさらに低い順位につけた。競争が日増しに激化する電子通信市場において、日本企業はアップルやサムスンに遠く及ばず、市場シェアが毎年低下している。日本の家電・電子製品の年間輸出額は2007年の時点で17兆円であったが、2012年には11兆円に減少した。昨年末時点で、パナソニックの家電事業は3年連続の赤字となり、ソニーは7年連続とさらに深刻だ。日本家電・電子業界は、日本の業界関係者から、「長期低迷する落ち日の産業」と称されているほどだ。
日本では近頃、家電衰退の原因を深く反省する動きが広まっている。ある人はアジア企業の台頭に責任を押し付けているが、それより多くの専門家は自らを反省し、根本的な原因は日本企業の経営戦略の失敗にあるとしている。韓国籍の経営専門家の金美徳氏は、日韓企業の経営の特徴を分析し、問題点を指摘した。まず、日本企業は技術イノベーションに依存しすぎ、市場マーケティングを軽視している。金氏は、「日本企業は最も先進的な家電製造技術と高いイノベーション力を持つ。ソニーの科学研究投資と技術力は、いずれも世界一流レベルだ。しかし日本企業は良い製品を作れば売れるはずという固定観念に縛られており、市場の動向および消費需要に対する分析が不足している。これとは対照的に、韓国企業は経営の重点を市場マーケティングに置き、異なる消費者に異なる製品を提供することで、異なる消費需要を満たしている。韓国企業は、最高の商品ではないが消費者に最も適した製品という観念を貫いており、すぐに市場を占めることができた」と指摘した。