米学者、中国経済は「日本式の不況」に陥ることはない (2)
環球時報:中国は「中所得の罠」に陥りかけているか?
ラーディ氏:私はこの見方も疑わしいと思う。「中所得の罠」に陥った国のほとんどは、1人あたりの平均所得が今の中国よりもずいぶん高い水準に達していた。「罠」は1人あたりの所得が1万-1万2千ドルに達したころに訪れる。ちなみに中国は現在6000ドル前後だ。内需促進の政策が着実に実施されれば、中国は今後10年間は相当高い成長率を維持できるだろう。
環球時報:中国が「日本式の不況」に陥るのではと心配している人がいるが?
ラーディ氏:中国が日本と同じ状況に陥ることはないだろう。日本は閉鎖的で、国外からの移民が大量に流入するのを許さない。日本は1人あたり所得は高いが労働人口が減少しつつあり、経済成長率も低い。中国はより柔軟で実務的な人材政策をとっている。中国は日本と同じ過ちを繰り返さないだろう。
環球時報:高齢化が中国の経済発展を制約する要素となるか?
ラーディ氏:高齢化は経済成長にとって確かに障害となるが、その影響は過大評価されている。中国はすでに高等教育への投資拡大など、高齢化の影響を抑えるための措置を講じている。これにより労働力の質が向上するだろう。
環球時報:中国経済に対して楽観的なわけは?
ラーディ氏:中国は過去15年間で、国有企業が経済に占める割合が下がった。90年代以降は外資系企業の成長が加速し、2005年には中国の輸出への貢献がピークに達し、その後下降した。これに代わり、私営企業が中国経済の成長と輸出増加を引張る力となった。これらの企業は競争力が高く、反応が素早く、ビジネスチャンスがどこにあるか、どのように融資し、市場を開拓し、新製品を開発すべきかを知っている。私は中国が将来、引き続き貿易大国であり続けることに楽観的な見方を持っている。外部オブザーバーの1人として言いたいことは、中国は経済構造の調整加速、および経済発展モデルの転換に関する政策を着実に実施するべきだ。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年2月5日