大気拷問の咳き込む経済成長パターン
2月1日朝、北京はどうにか久しぶりの青空を迎えた。1月以降、有害濃霧の魔の手から北京が逃れられたのは、たった5日間だ。中国青年報が伝えた。
環境保護部(環境保護省)衛星環境応用センターによると1月30日には全国の143万平方キロメートルが有害濃霧に襲われた。
公衆環境研究センターの馬軍主任らのチームは長年来、公衆が身近な汚染企業をより良く監督できるよう、中国汚染地図の作製に尽力してきた。そして今回、馬主任は衛星リモートセンシングデータの描き出した有害濃霧範囲が重化学工業地帯とはっきりと重なり合うことに気づいた。
1月全体を通じて有害濃霧が最も深刻だった地域は北京・天津・河北省地域だ。この地域の年間粗鋼生産量が世界全体の5分の1を占めることは軽視できない背景だ。この「誇らしい」統計を支えているのは、石炭の大量燃焼と、汚染物質の大量排出でもある。
長江デルタ地域を見ても、近年有害濃霧が増加し続けている。馬氏の中国汚染地図では、この地域の産業構造は過去10年間「軽」から「重」へと転換している。
馬氏のこの発見は業界ではすでに共通認識だ。2012年末に国務院は北京・天津・河北省地域、長江デルタ、珠江デルタなど大気汚染の深刻な地域への思い切った対策を旨とする「重点区域大気汚染対策第12次五カ年計画」を了承した。これらの地域は汚染物質の排出が高度に集中し、単位面積当たりの汚染物質排出度は全国平均の2.9-3.6倍に上る。大気汚染への重点的対策の必要な地域はすでに国土面積の14%に達すると計画は指摘。これは今回の大規模な有害濃霧の範囲とほぼ一致する。
これらの地域は経済規模で全国の71%、石炭消費量で全国の52%を占める。これに対応するように、国土面積の14%を占めるこれらの地域は二酸化硫黄排出量で全国の48%、窒素酸化物排出量で全国の51%を占める。2011年改定の大気の質の評価基準では、重点地域内の82%の都市が国家2級基準に達していない。