清明節(今年は4月5日)がやって来た。墓参りに行く時間が取れなければ、料金を支払って「代行業者」に頼むというのはどうだろうか。最近、淘宝や赶集網などのインターネットサイトに、墓参り代行サービスが登場している。料金は数百元(1元は約16円)で、お辞儀をする、ひざまずく、花を捧げる、個人をしのんで泣く、といった一連の墓参り行為をサービスとして提供するもので、映画「私人訂制」(パーソナル・テーラー)にも似たようなシーンがある。だが河北省石家荘市では、このサービスに反対する人が多い。燕趙晩報が伝えた。
赶集網でこのサービスを検索すると、北京地区だけで10数の業者が見つかった。一般的なサービスは、生花や食べ物を備える、墓を掃除する、哀悼を捧げる、紙銭を焼くといったところで、時間は約30分だ。また顧客の要望に応じて、携帯電話を墓に持参し、顧客が電話で故人と語り合えるようにするというサービスを提供する業者もいる。業者は墓参りが終わると、高画質の画像や映像を撮影して証拠とし、顧客に代金を要求する。ある業者のサービス担当者によれば、現代は人の流れが急速で、全国各地のあらゆる人が清明節に故郷に帰れるわけではない。代行業者は故郷に帰れない人にサービスを提供して、いくらかのサービス料を受け取っており、料金は200元から1千元までさまざまだという。
墓参り代行は新種のサービスだが、石家荘市では多くの人が「認めない」としている。張さん(男性)によると、清明節に墓参りするのは中国人の伝統であり、心の中で思っていることを形に表し、親しかった人に哀悼を捧げることが大切だ。こうした気持ちというものは他の人が代行できるものではない。料金を払って人に墓参りに行ってもらうのは、一つの形式ではあるが、必要ないものだという。赶集網と淘宝の関係者の話では、墓参り代行は北京、上海、広州などの大都市に集中しており、石家荘のような地方都市は業者も利用者も少ないという。関連業界のある専門家によると、墓参り代行は市場行為ではあるが、中国数千年の伝統文化を市場化によってすべて代行でまかなえるようにはならないという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年4月5日