鳥取「国際まんが博」、日本のネット上に疑惑の声 (2)
確かに、マンガサミット閉幕前後、日本国内の一部メディアの反応はいささか不自然だった。今年初め、多くの日本の大型アニメ・漫画関連サイトはこぞって、マンガサミットとまんが博の開催を大々的に取り上げた。しかし、閉幕後に関連報道を行ったのは、唯一鳥取県の地方サイトのみで、主催側が発表した統計データを転載し報じたところは皆無だった。日本のネット掲示板や個人のブログでは、「@Wiki」関連サイトの内容を続々と転載、ほとんどの人が同サイトの主張を支持した。この見解が全て真実であるとは断言できないが、現状から見て、一部の日本人が、今回のイベント開催効果について疑問視していることは否定できない。継続性を備え、国際的に影響力を持つ日本のアニメ・漫画関連イベントという点からみて、このような状況は過去に例を見ない。
■政府の支援に反し、実際のイベント効果伴わず
「地方で開かれたアニメ・漫画博覧会が、どうしてこんなに大きな波紋を呼んでいるのか?」と疑問に思う人もいるだろう。その理由は、鳥取国際まんが博は、日本政府と地方自治体から多額の支援資金が投入された「地域振興」文化プロジェクトだったからだ。地方紙「山陰中央新報」などのメディア報道によると、鳥取県は今回のイベントに計10億円を投じたという。
鳥取は西日本の日本海側にある小県で、人口は全都道府県中、最も少ない。このような県にとって、10億円の投資というのは極めて大きい。また、鳥取県は国に対し、「アニメ・漫画業の発展により地域経済をけん引する」との名目で、今回のイベントを文化庁の「メディア芸術地域活性化事業」に申請した。これに関連し、鳥取県議会議員が担当省庁との交渉に東京まで出向き、最終的に2億9452万円の補助金を国から獲得した。文化庁が発表した会計帳簿によると、同プロジェクトは、今年のアニメ・漫画分野への投入資金で最も高額で、ほかのアニメ・漫画プロジェクトへの補助金は全て2500万円以下だった。
つまり、マンガサミットとまんが博の開催に、国と県は総額13億円を投じたことになる。これだけ多額の資金を投じたのだから、「地域振興」の実質的な効果を県民が期待するのは当然だ。しかし、まんが博が開幕した今年8月の時点で、ネット上にはすでに、「地域振興」という旗印に対する疑問の声が上がっていた。