中国、10月の10大ネット流行語 「莫言」「江南スタイル」など
中国語版ウィキペディア「互動百科」は11月3日、オンライン投票、専門家による選考、毎月の全サイト検索数などから総合統計を取り、10月の10大ネット流行語を発表した。マジックリアリズムの影響を受けた作風が評価され、中国初のノーベル文学賞獲得が同月11日に決まった作家「莫言」氏(57)の名前が100万回以上クリックされ、断トツの首位だった。さらに、莫氏の代表作「紅高粱」(日本語題「赤い高粱」)や「檀香刑」(「白檀の刑」)、「豊乳肥臀」などの作品に注目が集まった。安徽省合肥市の夕刊紙「合肥晩報」が報じた。
「莫言」に続く2位になったのは、中国国営中央テレビ(CCTV、日本のNHKに相当)が国慶節(建国記念日、10月1日)を挟んだ連休中に実施した街頭インタビューの「幸せですか?」というフレーズ。中国語の「幸」と「姓」が同じ発音で、あなたの苗字は「福」ですか?と聞かれたのだと勘違いした回答者が「私は曾です」と答え話題に。ネットユーザーらは同様子を捉えた動画を次々に転送した。また、同企画を機に、多くの人が抽象的な概念の「幸せ」について熟考した。各地の人々がそれぞれの理解に基づいて、「幸せ」を追求していることも分かった。
3位は、世界で韓流旋風を巻き起こしている韓国歌手PSY(サイ)の「江南(カンナム)スタイル」。7月にリリースされた同曲でサイが披露するユニークな馬ダンスが大ブームとなっている。
10大ネット流行語の王波・編集長は取材に対して、「『莫言』のクリック回数が、世界中で大ヒットしている『カンナムスタイル』よりはるかに多かったのは、莫氏は本当の意味でノーベル賞を獲得した初の中国人だから。これは我々が肯定し、誇りに思うのに値することだったので、ネットユーザーを含む多くの中国人の間で話題になった。文学ブームをも引き起こしている」と指摘。
「ネット上で流行している新語や流行語は社会や政治、経済の現状を反映している。例えば、9月のランキングでトップだった『釣魚島』、10月の『莫言』はいずれも、国民が非常に注目しているニュースだ」
「ネット流行語は我々が普段使う言葉を豊富にし、古くさい言葉を淘汰(とうた)する。もちろん、ネット流行語を盲目的に追いかけることは避けなければならず、冷静に考えた上で使用しなければならないし、適切な導きも必要。そのようにして初めて、ネット上のホットワードが先進的な文化の推進をサポートする『ブースター』のような存在になる」