日本はなぜ朝鮮を「恐れる」のか?
朝鮮の「衛星打ち上げ」予告に、各国が騒然としている。特に日本は緊張し、強く反応している。まず、こうした緊張は日本、特に保守勢力にとって自らの目的に利用できるものだ。日本で近年日増しに高まる「右傾化」の保守的主張への支持が一層集まり、衆院選で強硬派が一層の支持を獲得すると同時に、石原などが平和憲法を破棄し、米国に「核規制の緩和」や核への支持を求めることも空論ではなくなる。(文:庚欣・日本JCC新日本研究所副所長。環球時報掲載)
一方で日本の緊張には、朝鮮を本当に「恐れている」一面も確かに存在する。朝鮮は国際社会で最も不確定性が高く、最も危険かつ制御不能な敵であるとの認識で日本は上から下まで一致している。ポスト冷戦時代に入ってからの新たな情勢の下で、日朝間の摩擦は一段と先鋭化した。日本の朝鮮に対する「恐れ」は、中露韓に対するものとはやや異なる。中露韓とは長年にわたり正常な外交関係、そして幅広く深いレベルの経済協力・文化交流があり、たとえ関係が悪化しても明らかな確定性と制御可能性があるからだ。だが日朝間にはこうしたプラス条件がほとんどない。近年、両国間の貿易および船舶の往来は制限され、在日朝鮮人から朝鮮への送金さえもが日本の「制裁」対象となっている。日朝関係は東アジアで最も緊張した二国間関係だろう。日本が朝鮮を「恐れている」のは確かだ。
日本側の緊張にはさらに深いレベルの理由もある。「衛星打ち上げ」、さらには朝鮮の核問題において日米間に重大な矛盾があることだ。「地政学」の重みが増すにつれて、日米間の矛盾も日増しに顕在化している。第1に、朝鮮の脅威は米本土には及ばないが、日本は全土が朝鮮の攻撃範囲内にある。米国は朝鮮に対して非常に強力な全面的抑止力を持つが、日本にそうした能力がないのは明らかだ。こうした現実的な地政学的相違と力関係のために、日米の対朝政策の位置づけは初めから異なっている。