安倍氏は目を覚ますべきだ
安倍氏が長く待ち望んでいた訪米が終わった。どうやら意図的な米側の低調な応対、「日帰り旅行」のような気まずさを前に、安倍氏は悔しい思いを色々抱えながらも、顔には笑みを浮かべ、「Japan is back」と大声で宣言せざるを得なかった。安倍氏は野田佳彦政権期に損なわれた日米関係の修復と同時に、米国が自らの揺るぎない後ろ盾となることも当然望んでいる。(文:張紅・本紙主任編集員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
最近安倍氏はいくぶん順風満帆で得意げな様子だ。発足後2カ月余りで安倍内閣の支持率は急上昇し、世論調査によると最高で71%に達した。就任後支持率が下がらず、反対に上がった首相は日本では久方振りだ。世論調査はまた、7月の参院選では安倍氏の率いる自民党が多数議席を獲得する見通しを示している。
甘い果実の前で、安倍氏は少し有頂天になったようだ。就任時に周辺国に示した友好姿勢を改め、その言動は再び強硬な色彩に満ちるようになった。まず、中国に関して驚愕すべき発言をした。事実を歪曲し、中国を攻撃し、中国の顔に泥を塗り、中日対立を煽るもので、中国側の厳正な申し入れを招くほどだった。続いて、島根県の「竹島(韓国名・独島)の日」行事に政府高官を派遣し、韓日関係を「強い緊張状態」に導いた。
さらに、周辺関係を緊張と不安に陥れた日本は米国のもとに駆けつけて自らには罪がないふりをした。自らの強大な後ろ盾を全世界に示そうとし、米国のアジア太平洋回帰という追い風に乗ってアジア太平洋におけるリーダーシップを強化することを夢想した。その結果はどうだったか?米国が「無視」に近い姿勢を見せ、共同記者会見を「けちって」取り消し、釣魚島(日本名・尖閣諸島)について沈黙したことで、日本は大いに冷や水を浴びせられたのだ。
これは日本が自ら招いた結果だ。日米同盟において、日本は昔からずっと米国の1つの駒に過ぎない。この同盟は昔からずっと米国の利益に立ったものなのだ。日本の歴史を見渡すと、米国は日本に対して支援または抑圧を繰り返してきた。その最も印象深いものとしては、プラザ合意をおいてほかにない。この点を日本はこれまでずっとはっきりと認識したことがない、あるいは認めたくないようだ。