国防白書:中国の武装力の多様な運用 (7)
--中華人民共和国国務院新聞弁公室 2013年4月 三、国の主権、安全、領土保全を守る
中国の武装力の根本的任務は、国防を強固にし、侵略に反撃し、祖国を防衛することである。中国の武装力の多様な運用は、あくまで国の中核的安全のニーズを導きとし、平和維持や危機抑制、戦争で勝利することに着目し、国境警備、海上防衛、防空面の安全を守り、戦争への備えと実戦形式の演習・訓練に力を入れ、国の主権、安全、領土保全に危害を加えるすべての挑発行為に随時対応し、断固として食い止め、国の核心的利益を断固として守る。
■国境警備と海上防衛の安全を守る
中国の陸地の国境線は2万2000余キロ、大陸の海岸線は1万8000余キロで、世界で隣国の数が最も多く、陸地の国境線が最も長い国の一つである。中国の500平方メートル以上の島しょは6500余りあり、島しょの海岸線の総延長は1万4000余キロである。中国の武装力は陸地の国境線と管轄下の海域に対して防衛や管轄を実施しており、国境警備と海上防衛の安全を守る任務は複雑で重いものである。
陸軍の国境警備・海上防衛部隊は国境、沿海地域および海上の島しょに駐屯し、国境や沿岸、島しょを守り、外敵の侵入、蚕食、挑発を食い止め、防御し、テロ組織による破壊活動、国境を越えた犯罪の取り締まりで協力するなどの防衛・管理任務を担っている。国境警備・海上防衛部隊はパトロール、戦備勤務を中心とし、国境・沿海地域の重要な方向と情報焦点地域、水路、海域の防衛・警戒に力を入れ、さまざまな侵入、蚕食、越境潜入・破壊活動を厳しく防ぎ、国境警備・海上防衛に関する政策や法規に違反する行為と国境線の現状を変えようとする行為をただちに阻止し、軍隊と地方との合同管理・コントロール、突発事件の緊急処理などを適時に行い、国境や沿海地域の安全・安定を効果的に確保している。中国はすでに7つの国と国境警備協力の取り決めを締結し、12カ国と国境警備に関する会談・会合の仕組みを確立した。人民解放軍国境警備部隊は、ロシアやカザフスタン、モンゴル、ベトナムなどの国の国境警備部門と合同パトロールの実施、合同訓練の管理・コントロールなどの友好的な協力活動を行っている。毎年、カザフスタン、キルギス、ロシア、タジキスタンなどの国と相互に視察活動を行い、国境地域での信頼醸成措置の実施状況を監督し、調査している。
海軍は海域に対するコントロールと管理を強化し、パトロールを体系化する仕組みを確立、整備し、周辺海域の状況を効果的に把握し、海域をかき乱す活動や潜入・破壊活動を厳しく防ぎ、海や空での突発事件をただちに処理している。海上の安全協力を推し進め、海洋の平和と安定、海上の航行の自由と安全を守っている。中米海上軍事安全協議メカニズムの枠組みの下で、海上の情報交流を定期的に行い、海上でのアクシデントの発生を防いでいる。中国とベトナムが締結した北部湾(トンキン湾)海域合同パトロール協議に基づき、両国の海軍は2006年から年2回の合同パトロールを行っている。
公安国境警備部隊は、国が国境・沿海地域と開放された国境通関所に配置した武装法執行力であり、国の主権を守り、国境・沿海地域と海上の安全や安定、国境通関所の出入国の秩序を維持するなどの重要な職責を担い、国境地帯の安定維持、犯罪の取り締まり、緊急救援、国境警備・保安など多様な任務を遂行している。公安国境警備部隊は国境最前線で国境警備管理区を画定し、沿海地域で海上防衛執務区を画定し、香港、澳門(マカオ)に隣接する陸地の境界地帯と沿岸地域の海岸線の縦深20-50メートルは国境警備警戒区に画定し、国の開放された国境通関所に国境警備検査所を設置し、沿海地域に海上警察部隊を配置している。ここ数年来、国境地域と国境通関所に対して常態化した厳しい検査、管理、統制を実施し、テロリズム、分裂主義、過激主義の「3つの勢力」や敵対分子の分裂破壊活動や暴力テロ活動を警戒し、取り締まっている。海の境界を越える漁業活動にメスを入れ、海上の治安を保つためのパトロールや法執行を強化し、海上の違法犯罪活動を厳しく取り締まっている。2011年以来、4万7445件にのぼるさまざまな案件を摘発し、麻薬1万2357キロ、不法銃器12万5115丁を押収し、密航者延べ5607人を逮捕した。
民兵は戦争に備えるための職務執行、国境警備・海上防衛地域の軍隊・警察・民間による合同防衛、歩哨所での勤務、国境の防衛・警備などに積極的に参加し、年間を通じて国境線や海上境界線でパトロール勤務をしている。
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