元バスケ中国代表選手の日本帰化 中国側が猛抗議
中国女子バスケットチームのセンターとして活躍し、その後日本国籍を取得した杉山美由希選手(旧名・李明陽)はこのほど、国際バスケットボール連盟(FIBA)の裁定により、日本国内公式リーグ戦の参加資格が正式に認められた。一方、中国バスケットボール協会(CBA)は15日、「杉山選手の帰化をめぐる、日本の関連の機構のやり方は不適切で、スポーツ界の秩序を著しく乱している」と指摘。「FIBAと引き続き交渉を行う」とした。京華時報が報じた。
CBAを代表し声明を発表した、CBA事務所の責任者・段煉氏によると、杉山選手は以前、北京の鉄鋼メーカー「首鋼集団」のバスケットチームの選手だった。しかし、2010年10月、杉山選手は、仮病を使って北京を離れ、その後連絡が取れなくなった。しかし、連絡を保っていた杉山選手のチームメイトの証言で、シャンソン化粧品にスカウトされ日本に行っていたことが明らかに。その後、CBAは日本バスケットボール協会(JBA)に2度、書簡を送ったが、杉山選手は日本では選手登録されていないというのが、JBAの回答だった。そして2012年9月、JBAはCBAに杉山選手の身分照会を請求。CBAは、杉山選手は帰国して、中国チームのために力を注がねばらないとの見方であるため、身分照会はしていない。
一方、JBAから裁定を求められていたFIBAは今月12日、杉山選手の日本国内公式リーグ戦の参加資格を認めることを発表した。これに対して、CBAは、FIBAと今後も交渉を続けるとともに、選手の登録システムの整備を進めるとしている。
首鋼集団の袁超・総経理は15日、「チームはここ数年、杉山選手に対し説得を続けてきた」と指摘。一方、女子チームの何軍・監督は、「杉山選手がチームに戻って来るのを歓迎する」と復帰の扉を開けておくことを強調した。
■中国のバスケット選手が日本に帰化した例
張本天傑(旧名・張天傑)選手
中国遼寧省瀋陽市出身の張本選手(22)は、元バスケット選手の父親と元バレー選手の母親の間に生まれた。そんな張本選手は子供のころ、母親が引退後日本へ留学したのをきっかけに、父親と共に日本へ行き定住、日本国籍を取得した。その後、身長197センチと体格にも恵まれた張本選手は2008年、U-19日本代表に選ばれ、日本バスケット界初の中華系帰化選手に。2011年のバスケットボール男子アジア選手権では、主力としてセンターを任された。